活動報告

国会質疑

聴力低下で対応促す 国重氏<衆院-予算委員会-第5分科会>

2023年2月22日付公明新聞より転載

第5分科会で国重徹氏は難聴を巡って、聴覚障がいの基準に満たないものの、加齢などによる聴力低下で日常生活に不便を抱えた状態の人への対応をただした。

国重氏は、2017年の同分科会での自身の主張を受けて、難聴全般への対応のため厚生労働省内に設置された連絡会議に言及。障がいに至らない難聴の課題整理の進捗を尋ねた。その上で、同会議を通じた対応が難しければ、専門の所管部署を設置するよう促した。

厚労省は、ライフステージに応じた課題整理を行ったと説明。加藤勝信厚労相は、同会議の協議を点検し「実効性の高い施策を具体的に実施できるよう努力する」と述べた。

質疑全文

牧原主査 これにて池下卓君の質疑は終了いたしました。

次に、國重徹君。

國重分科員 公明党の國重徹です。

加藤大臣、また担当の皆様、今日は長時間の分科会、大変にお疲れさまです。

今日は難聴をテーマにして質疑をさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

我が国におきましては、聴力レベル七十デシベル以上から身体障害者手帳の交付を受けることができます。現在、この聴覚障害者は約四十四万人いらっしゃいます。

しかし、この障害認定の基準は世界的に見てハードルが高い。WHOの基準では四十一デシベルから補聴器を使うことが推奨をされております。これは耳元で大きな声で話さないと聞こえないレベルになります。

身体障害の認定は受けていないものの、聴覚の低下によって日常生活の不便を抱えていらっしゃる方は、実際はかなり多くいらっしゃいまして、医学的介入が必要な難聴者は約九百万人いるとも言われております。

そこで、こういった難聴、障害に至らない難聴も含めての難聴でありますけれども、これになるとどのような悪影響が生じると考えられるのか、まずはこの点についての認識を確認させていただきたいと思います。

大西政府参考人 お答え申し上げます。

先生の方から、特に高齢者の生活への悪影響につきまして触れてほしいという御下問だと認識をしております。そういうことを中心にお答えをお届けしたいと思います。

御案内のように、難聴でございますけれども、加齢ですとか騒音、また生活習慣など、様々な原因で起こるものでございます。

例えば、必要な音が聞こえず、社会生活ですとかコミュニケーションに支障を来すということですとか、様々な危険の察知能力が低下するといった影響をもたらすものと承知をしております。

特に、難聴が高齢者の方々の生活にもたらします影響につきましては、過去の調査研究事業によりますと、例えばコミュニケーションに関する問題が持続した場合に、社会的孤立ですとか、うつ、また認知機能の低下などの悪影響が危惧されるといったことが報告をされているところでございます。

國重分科員 ありがとうございます。コミュニケーションにも大きな支障が生じるというような答弁もいただきました。

耳が聞こえづらくなって、何度も、えっ、何と言ったのというふうに繰り返し聞きますと、相手にもうんざりされる。また、挨拶をしたり話しかけてくれている人がいて、その人に対して、耳が遠くて、話をされたこと自体気づかなかったり、また、話の内容をきちんと認識できずに、適切な応対ができない。そういったことで、あの人と話すのは面倒くさいなとか、あの人に無視されたとか、そういうことで人間関係が悪くなる。

みんなとの会話になかなか入れないので、外に出るのもおっくうになっていく。孤立したり、引きこもりがちになってしまう。いらいらしたり、精神的に不安定になる。また、頭痛や目まい、先ほどもありましたとおり、うつなどへの影響もある。

地域を回りましても、そういった方たちはいらっしゃいます。また、こういったことは普通に想像しても容易に分かることです。

さらに、認知症における最大の予防可能なリスク要因が難聴である、このことにつきまして、イギリスの医学誌ランセットの国際委員会が、二〇一七年、また二〇二〇年の二度にわたり指摘をしております。

この認知症と難聴との関係につきましては、これまでもこの分科会におきまして、私、研究を進めてほしいということをお願いしてまいりました。

昨年の質疑の際には、令和二年度以降も、引き続き、国立長寿医療研究センターにおいて、インハウス研究として、難聴者を二群に分けた補聴器の装着の有無による認知症の発症率の差に関する研究が継続されている、令和四年度を目途に研究結果が取りまとめられ、その後、公表される予定となっている、この旨の答弁がありました。

もうすぐ令和四年度も終わるわけでありますが、この研究の進捗、今どういう状況なのかについてお伺いいたします。

大西政府参考人 お答え申し上げます。

先生今御紹介いただきましたけれども、認知機能の低下と難聴との関係について研究するため、今お話しいただいたものに先立つところから、平成三十年度から令和元年度にかけまして、まず、日本医療研究開発機構、AMEDの認知症研究開発事業によりまして、聴覚障害の補正によります認知機能低下の予防効果を検証するための研究、これが同じ国立長寿医療研究センターにおいて実施をされまして、この研究の結果、認知機能の低下と難聴につきまして一定の相関関係が確認されるところまではいっておるわけでございます。

しかしながら、難聴になった結果として認知症になるのかといった因果関係についてまでは、当該事業期間中には結果を得るには至らなかったというところでございます。

先生今御紹介いただきましたように、令和二年度から、国立長寿医療研究センターにおきまして、難聴の方を一定期間観察をしまして、補聴器の装着の有無によります認知機能への影響に関する研究が継続されているところでございます。これも御紹介いただきましたように、令和四年度を目途にということでございますが、現時点では、当該研究の結果、まだ取りまとめるところまでいっていないということで承知をしているところでございます。

國重分科員 まだ結果の取りまとめは出ていないということでしたので、その結果について今後注視をしていきたいと思います。

認知機能の低下の危険因子の一つに難聴があるということは、厚生労働省の認知症施策推進総合戦略にも明記をされております。難聴によって認知機能が低下しやすい、あるいはうつにつながりやすい、こういったデータが国内外で報告をされております。高齢者の難聴には早い段階で社会が介入する必要がある、このことをしっかりと認識することが大切になります。

その上で、高齢化が進むに伴いまして、加齢性難聴も増えていきます。

また、近年、いわゆるイヤホン難聴、スマホ難聴も増えております。WHOは、多くの若者が携帯型音楽プレーヤーやスマホなどによる音響性難聴のリスクにさらされているとして警鐘を鳴らしております。ヘッドホン、またイヤホンを使って大きな音量で音楽などを聞き続けることによって、音を伝える役割をしている有毛細胞が徐々に壊れて起こる難聴であります。少しずつ進行していくために初期には自覚しにくい、こういった傾向がありますけれども、一度この有毛細胞が壊れますと戻りません。失った聴覚は戻らないということになります。

このように難聴者が増加することの懸念が指摘されているわけでありますが、これを厚労省としてどのように受け止めているのか、見解を伺います。

辺見政府参考人 難聴につきましては、ヘッドホンなどで大きな音を聞き続けることに伴う若年層のヘッドホン難聴ですとか、高齢者人口の増加に伴う難聴のある高齢者の増加といったことが想定されるところでございますが、ライフサイクルに応じまして、難聴に関する様々な支援を包括的に行っていく必要があると認識しているところでございます。

國重分科員 人生百年時代、人生の大先輩の皆様にいかに元気で生きがいを持って生き生きと人生を送っていただくか、そのための環境をどうつくっていくのか、真剣に考えていかなければなりません。健康で生き生きとした人生を送る、そのための土台となるのがコミュニケーションであります。難聴になれば、先ほども述べましたとおり、生活、健康への様々な悪影響が生じます。

そこで、加藤厚生労働大臣にお伺いいたします。

人生百年時代、難聴予防やその対策に力を入れていくというのは、私は極めて大事なことだと思っております。そういったことで、私は初当選以来、この分科会で繰り返しこのテーマを取り上げてまいりました。大臣はこのことについてどのように認識をされているのか、難聴の予防、対策を講じることの重要性について、大臣の認識をお伺いいたします。

加藤国務大臣 今、難聴の予防というお話がありましたが、その前に、難聴に対する認識の問題があるというのを私は議員になってからずっと感じておりました。

視覚については、日本人はみんな、眼鏡をしたり、かなりいろいろと対応する。一方で、聞きづらさというのはなかなか分かりにくいという、さっきお話がありましたが、だんだん、目もだんだん悪くなるんですけれども、固定して見ていますから分かるんだけれども、同じ音をずっと聞いているわけじゃないということもあるんだろうと思うんですけれども、非常にそれに対する対応が、視覚に比べるとちょっと低いのかなというのを前から認識をしており、例えば、眼鏡を着けるように補聴器を着ける人の割合がどうなのかと見ると、割と日本の補聴器を着ける人の割合が低いとか、まずそういった問題があるんじゃないかなと。

その辺もしっかりPRしながら、今委員御指摘のあったように、難聴というものがコミュニケーションに関する問題をいろいろ引き起こし、それが結果的に、社会的な孤立とか、うつとか、あるいは認知機能の低下、こういったことを引き起こしていく。

そしてさらに、難聴の原因が高齢化にとどまるものではありません。生まれながらそうした難聴という障害を持っている方もおられます。あるいは、先ほど委員がお話があった、若い方々がヘッドホン等で非常に大きな音で聞いていると、やはりそれが難聴を引き起こす。

様々な要因があるわけでありますので、厚労省としては、新生児への聴覚検査による乳児期からの支援、また、職域における定期健診などを通じた成人期から高齢期における早期の発見、突発性難聴の早期受診、あるいはヘッドホン難聴の予防に関する普及啓発などなど、各年齢層やそれぞれの要因等に応じた対策、支援、これを包括的に行っていくことが重要だと考えておりますので、関係各部局ともよく連携を取りながら、難聴対策に取り組んでいきたいと考えております。

國重分科員 大臣御自身の言葉で今るる述べていただきまして、本当にありがとうございます。こういった難聴に対しての意識を強く持っていただいていることを心強く思います。

本人のためにも、家族のためにも、社会のためにも、この難聴対策というのは重要であります。WHOの公表資料によりますと、聴覚ケアに医療費を投入すると十年間で十六倍に還元される、こういった趣旨の報告、指摘もされております。

適切な対策を講じるためには、その前提として正確な実態把握が必要であります。しかし、そもそも難聴の人がどの程度いるのか、このことでさえ国はきちんと把握できていない、調査ができていない状況がかつて続いておりました。

そこで、この実態把握の必要性について私も繰り返し訴えてまいりました。その結果、ほかにもいろいろありますけれども、例えば、平成二十八年十二月実施の生活のしづらさなどに関する調査におきまして、新たに細分化した設問を追加していただきました。この点については一歩前進と評価をしております。ただ、これにつきましても、調査対象者が限られている、こういったことなどの課題があります。

そこで、昨年のこの分科会の質疑におきまして具体的な改善を要望させていただきましたところ、令和四年度の同調査におきまして、聞こえづらさのある方の割合が適切に推計できるよう、専門家の意見を聞きながら調査方法の改善を検討していく、こういった答弁をいただきました。

これについて、検討の結果、どのような調査方法の改善がなされたのか、また、その調査結果の取りまとめに向けた今後のスケジュール感についてお伺いいたします。

辺見政府参考人 平成二十八年度の生活のしづらさに関する調査におきましては、調査対象者の中で、「おおむねこの六ケ月の間に、身体的又は精神的に具合が悪いところはありましたか。」という設問に対して「はい」と答えた方に対して調査を行っていたところでございますが、昨年度の御指摘を踏まえまして、今般の令和四年十二月に実施をいたしました令和四年度の生活のしづらさに関する調査では、調査対象に占める聞こえづらさのある方の割合が適切に推計できるように、全ての調査対象の方に対しまして聞こえの状況を調査するように設問を改善したところでございます.

調査結果の取りまとめの時期については、令和五年度にデータの集計作業を行いまして、その後、令和六年度の早い時期に公表できるように進めてまいりたいと考えております。

國重分科員 今後調査の取りまとめがされていくわけでありますが、その結果、実態を踏まえてどう取り組んでいくのか、これが大切になります。その際、最新の調査研究を基にした専門的見地からの適切な対策が重要になってまいります。

この点、アメリカやフランス、特にフランスでは二十世紀から疫学調査を開始して、今なお継続がされております。また、アメリカには、NIH、アメリカ国立衛生研究所の一部門として、NIDCD、難聴とコミュニケーション障害の米国立研究所、これがあります。難聴、嗅覚、味覚、また目まいを網羅して、研究費を分配する機能があります。ほかにもアメリカ国内には多数の聴覚研究所があります。イギリスやフランスにも、国立大学、また世界的に有名な研究所にある難聴研究所で研究が進められております。

そこで、厚労省に確認をいたします。耳を含む感覚器に関する国立の研究センターは、我が国にはあるんでしょうか。

浅沼政府参考人 お答えいたします。

御指摘の耳を含む感覚器のみを取り扱っている国立高度専門医療研究センターは存在しておりません。

國重分科員 存在しないということでありました。

では、これまで国立の研究センターはどのような設置基準の下で整備されてきたのか、お伺いいたします。

浅沼政府参考人 お答えいたします。

国立高度専門医療研究センターにつきましては、がん、心臓病、脳卒中など国民の死亡原因の上位を占める疾病に対する医療等について機能の充実を図る観点や、神経・精神疾患や小児の難治性疾患など高度専門的医療や研究に取り組む必要がある疾病等に対し中核的機関を整備する観点から設置したものでございまして、国民の健康に重大な影響のある特定の疾病などに関して医療や研究開発等を行うために、全国に六つのセンターを設置しているところでございます。

國重分科員 ありがとうございます。今、設置基準についてお話をいただきました。

その上で、我が国における、高齢化が進む日本において、難聴対策の重要性、これまで述べたとおりであります。しかし、今、厚生労働省が注力をしているはずの国立長寿センターの耳鼻咽喉科には常勤の医師がおりません。

また、こういったこともございました。耳の穴から薬剤を注入して難聴を治療する方法について、世界で最初に、日本における埼玉医大の教授が報告をしました。しかし、その後、諸外国ではしきりに検証がされる一方で、日本では保険が通っておらず、薬液も適応外使用となっておりまして、そこで止まっている。これを実証する研究も一千万円はかかるということで、日本耳科学会は高額な研究費のためにこの検証を進めずにおります。当初日本がリードしておりましたが、今や後進国となっております。

私は、この耳、感覚器の分野につきましても、国立の研究センターをつくって、そこがリードをしてしっかりと進めていく、そして新たな治療法、新たな医療機器の開発を更に後押しをしていく、また、こうした取組の基礎となる全国の難聴者数の把握、また自治体の健診システムを促進をしていく、こういったことが重要になってくると考えております。

そういう観点から、これからの人生百年時代を見据えて、耳や感覚器に関する国立の研究センターを設置する、そしてこの分野の研究に力を入れていくべきと考えますが、加藤大臣の見解をお伺いいたします。

加藤国務大臣 先ほど、国立高度専門医療研究センターについての、どういう形で、それで今の六つのセンターが設置しているかというのは、事務局の方から答弁をさせていただきました。

耳を含む感覚器の障害、これは様々な要因や病態があるため、現状では、国立長寿医療研究センターにおいては加齢に伴う感覚障害に対する医療の提供が行われ、また、国立成育医療研究センターにおいては小児の先天性の感覚障害に関する先駆的な医療の提供が行われるなど、それぞれ今あるセンターが、その専門性を生かして、医療の提供が適切に行われているものと考えております。

今後どうしていくのか。今委員からも御提案がございましたけれども、まずはそれぞれのセンターの特性を生かした医療や研究開発を、しかも連携を図りながら進めていくということが必要ではないかというふうに考えております。

國重分科員 私がここで、分科会でこの難聴の課題を取り上げましたら、私の方からではなくて、いろいろな耳の専門家の方から御連絡をいただくようになりまして、実際の現状を聞きますと、かなり脆弱な状況もあると感じております。すぐには難しいのかもしれませんけれども、私はこれは非常に大事なことだと思っておりますので、是非検討をお願いしたいということを重ねて申し上げたいと思います。

私は、六年前、平成二十九年の分科会におきまして、難聴、とりわけ障害に至らない難聴につきまして、お互いがばらばらに対応しているので、こぼれ落ちている難聴対策の課題があること、これらを包括的に扱って、責任感を持って取り組むための役所内の体制整備を是非ともしていただきたい、そのように訴えました。

これを受けて、縦割りのはざまに落ち込まないよう、課長クラスを構成員とする難聴への対応に関する省内連絡会議が、その年、平成二十九年の七月に設置をされました。同年九月には第一回の会議が行われ、関係部局で現状や課題、円滑な意思疎通を図っていく旨の申合せもなされました。

まずはこの会議の取組状況についてお伺いいたします。

辺見政府参考人 難聴への対応につきましては、障害福祉施策、母子保健施策、高齢者施策など、様々な側面からの対応が必要とされているところでございます。難聴の方の支援については、省内関係部局で情報共有を行い施策に反映していくことにより難聴への対応を包括的に行える体制を整えることを目的として、平成二十九年に関係課長による連絡会議を設置させていただいたところでございます。

これまでに構成員を集めました会議は計五回開催し、難聴に関する関係部局の間の円滑な意思疎通を図るとともに、取組等の進捗状況の確認を行ったところでございますが、会議開催の機会に限らず、構成員となっている部局間では、施策を進めるべく連携を図っているところでございます。

なお、第六回の連絡会議につきましては、令和五年三月中旬の開催を予定しているところでございます。

國重分科員 昨年の分科会で、この省内連絡会議について、私は次のような指摘をしました。省内の連絡会議ができて毎年会議は開催しているんだけれども、全体をリードして責任を持って対応できているところがない、関係部局の取組状況が書面で列挙はされていても、単に列挙されているだけで、部局の垣根を越えて、連携をして課題に取り組む姿勢、こういうものが薄いように感じる、単にそれぞれの取組を確認するんじゃなくて、省内の連絡会議を真の意味で垣根を越えて難聴全般の課題や対応策を議論、検討する場にしていく、この省内連絡会議の実効性の向上を図る取組をしていただきたい、このように訴えました。

これを受けまして、当時の厚生労働大臣であった後藤大臣から、「この会議等も含めて、もっともっとしっかりと実効性の高い政策を推進していくべきだという強い御指摘を受けたわけでございまして、本日の議員の御指摘も踏まえて、しっかりとした取組ができるよう、引き続き、省内で必要な検討も進めながら、この対策を推進してまいりたいと思っております。」こういう答弁をいただきました。

では、この省内連絡会議において、障害に至らない難聴、これが私はエアポケットになっているんじゃないかということで繰り返し言ってきましたけれども、この障害に至らない難聴全般の課題整理、これはされているんでしょうか。

辺見政府参考人 昨年の分科会におきまして議員からいただきました御指摘を踏まえて、昨年三月に開催をいたしました第五回の省内連絡会議におきまして、省内各部局における障害に至らない難聴に関する取組につきまして、ライフステージなどの軸に応じて整理することによって相互関係を可視化し、その上で課題を共有し、議論を行わせていただいたところでございます。

引き続き、省内関係部局間で連携して、障害に至らない難聴に関する取組を進めてまいりたいと考えております。

國重分科員 これは大事なことなので、更に確認させていただきたいと思います。済みません、これは通告していませんが、事実確認になりますので。

聴覚障害では障害担当、また子供の難聴は子供、高齢者は高齢者、それぞれの部局でこれまでは完結していたということであります。その射程から抜け落ちている人たちがいるんだけれども、そこを把握する目、必要性、これが失われていたわけであります。だから、そういった人たちをしっかりと把握をして、また課題をつかんで対策を講じていっていただきたいということで訴えたところ、この省内連絡会議ができたということであります。

今、課題を共有して議論したということでありますけれども、障害に至らない難聴全般の課題ということ、これは間違いないですか。つまり、子供などに限定したものじゃなくて、障害に至らない難聴を含めた難聴全般の課題について、その検討が抜け落ちることがないように意思疎通を図って議論をしている、これで間違いないかどうか、お伺いします。

辺見政府参考人 省内における連絡会議の設置の趣旨におきまして、難聴への対応を包括的に行える体制を整えることを目的として設置するとしているところでございます。この目的の下、先ほど申し上げましたように、ライフステージに応じた課題の整理等を行っているところでございます。

國重分科員 私、事前のレク、やり取りの中で、この課題整理について文書でまとめているという話を聞きましたけれども、それは間違いないですか。

辺見政府参考人 ライフステージに応じた課題について議論をするために、ライフステージに応じた軸、また、施策の種類、早期発見や予防、実態把握といった施策の軸、こうした軸に応じてマトリックスとして整理をさせていただいているところでございます。

その上で、課題の共有、議論を行わせていただいているところでございます。(國重分科員「文書でまとめたのかどうかと」と呼ぶ)会議における資料として作成をしているところでございます。

國重分科員 ありがとうございます。是非またそれを見せていただきたいというふうに思います。私も、変に詰めるとかというつもりは全くないんです。しっかりと進めたいという思いで言っておりますので、またそれも貴重なペーパーになりますので、是非公開もしていただきたいですし、私も見せていただきたいと思います。

私、加藤厚生労働大臣は、非常に見識の高い、また力のある大臣だというふうに思っております。

今説明のありました難聴全般の課題の整理、これが私の今指摘したようなとおりにきちんとなされているのか、それとも、やはり部局部局の縦割りの弊害によって穴のあるものなのか、難聴全般の対策、取組がしっかりと進められる予定になっているのか、是非御確認をしていただきたいというふうに思います。

その上で、仮に足らざるところがあれば、省内連絡会議に対して大臣から的確な指示をしていただく、あるいは、やはりその会議のレベルでは難聴全般に対応できない、それぞれの部局が手いっぱいになってなかなかそこまでできていないというのであれば、障害に至らない難聴について所管する部署を新たに設ける、責任者をつける、こういったことも含めた真摯な御検討、これをしていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 委員からいろいろと叱咤激励をいただきながら、省内においても、障害に至らない難聴を含めた難聴対策をいろいろ進めさせていただいていることに改めて感謝を申し上げたいと思います。

今、省内で、各部局ののりを越えて、それぞれが集まって対策を協議していくということでございますので、私の方も、先ほど申し上げた問題意識を従前から持っておりましたので、しっかりチェックをさせていただいて、前回後藤大臣も言われた、より実効性の高いものを、しかも具体的に実施していけるように努力をしていきたいと思っています。

國重分科員 大臣、是非よろしくお願いいたします。

以上で質問を終わります。ありがとうございました。

 

>外部リンク 衆議院予算委員会第5分科会 16:33~

 

 
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