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政治改革 実現に先駆 公明が「ビジョン」発表  資金の透明性、罰則強化

2024年1月19日付公明新聞より転載

公明党政治改革本部(本部長=石井啓一幹事長)は18日、衆院第2議員会館で会合を開き、自民党派閥の政治資金問題を受けて、政治資金の収入と支出をより明確化する透明性の確保と罰則の強化を柱とする「公明党政治改革ビジョン」を了承した。その後、記者会見で石井幹事長は「公明党は結党当初から『清潔な政治』の実現を大きく掲げて実績を作ってきた。初心に戻って、改めて公明党が政治改革の旗振り役を果たしていく意気込みを示すために、いち早く発表した」と力説した。

党ビジョンのポイント

政治資金の透明性を確保
◎パーティー券支払者名の公開基準を「5万円超」へ引き下げ、口座振り込みに
◎議員が政党から受けた「政策活動費」の使途公開を義務付け
◎政治資金を監督する独立した第三者機関の設置を検討

罰則の強化
◎国会議員関係政治団体の代表者が収支報告書の適法な作成を認める確認書を提出
◎会計責任者の「選任」または「監督」いずれかで注意を怠れば罰金刑、公民権停止に

 

党ビジョンでは、政治資金規正法の改正を掲げた。政治資金の透明性強化に向け、政治資金パーティー券の支払者名の公開基準を「20万円超」から「5万円超」に引き下げるとともに、現金による入金を不可とし、口座振り込みに限定した。

なお、「いわゆる政策研究団体」(派閥)主催のパーティー開催は「禁止も含め、そのあり方について検討すべきだ。少なくとも、再発防止策が確立するまでは、自粛すべきだ」とした。

政党から議員個人に支払われる「政策活動費」については、使途公開を義務付け。政党支部など国会議員関係政治団体の収支報告書では、多くの国民が監視できるよう、デジタル化の促進を指摘した上で、データベース化を図り、収支報告書のオンライン提出を容易とするための環境整備を求めた。さらに、政治資金を監督する独立した第三者機関の設置を検討することも提案した。

罰則強化に向けては、連座制の強化を主張した。国会議員関係政治団体の代表者が、収支報告書が適法に作成されている旨の確認書を提出するよう提案。虚偽記載などがあった際、代表者が会計責任者の「選任」または「監督」のいずれか一方で相当の注意を怠っていれば罰金刑に処すことを求めた。罰金刑となれば、公民権が停止となる。

連座制の強化について石井幹事長は「現行法では選任、監督両方の注意を怠った場合に罰金刑になるが、『または』とすることで罰金刑になるハードルがかなり下がる」と力説。確認書の提出では「『会計責任者がやったので自分は知らない』との政治家の言い訳は許されなくなる」と述べた。

このほか、党ビジョンでは、公明党が訴えてきた、国会議員に支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途の明確化と公開、未使用分の返納、公職選挙法違反で当選無効となった国会議員の歳費返納の義務付けと勾留された国会議員の歳費などの支給停止も掲げた。

石井幹事長は、政治改革の実現に向けて「与野党を問わず関係してくるものであるから、与野党協議の場が必要になってくる。その場で公明党の主張をしっかりと展開していきたい」と語った。

 

ビジョン全文

公明党政治改革本部が18日に発表した「公明党政治改革ビジョン」の全文を掲載する。

自由民主党の派閥の政治資金パーティーにおいて、多額のキックバックを受けながら、収支報告書に記載せず、裏金化していた問題により、国民の政治に対する信頼は大きく損なわれた。一刻も早く、民衆から遊離した政治を正し、信頼回復に全力で取り組むべきである。

公明党は、2024年を「令和の政治改革元年」と銘打ち「公明党政治改革ビジョン」を策定した。今回の事案の再発防止策としては、政治資金の収入と支出をより明確化する透明性の強化と、抑止力を高める罰則の強化が重要と考えた。さらに従来から主張している調査研究広報滞在費の透明性確保と、当選無効となった際の歳費の返納、分党・解党する際の政党交付金の扱いを盛り込んだ。以下、具体策を示す。

なお、「いわゆる政策研究団体」主催の政治資金パーティーの開催については、禁止も含め、その在り方について検討すべきである。また、少なくとも、再発防止策が確立するまでは、自粛すべきである。

Ⅰ、政治資金規正法の改正等について

1、透明性の強化

①政治資金パーティーの支払者の氏名の公表

政治資金パーティー券の購入について、支払者の氏名の公開基準を20万円超から、5万円超に引き下げること。

②政治資金パーティーの入金方法の厳格化

政治資金パーティーの入金方法について、現金による入金は不可として、口座振込のみとすること。

③政策活動費の使途公開の義務付け

議員が政党から受けた政策活動費の使途公開を義務付けること。

④国会議員関係政治団体の収支報告書のデジタル化

国会議員関係政治団体の収支報告書について、多くの国民が監視できるようにデジタル化を促進する。そのため、会計帳簿・収支報告書作成ソフトの利用環境改善を行うとともに、誰もが閲覧できるよう、データベース化を図ること。また、収支報告書のオンライン提出を容易とするための環境整備を行うこと。

⑤政治資金を監督する第三者機関の設置

政治資金を監督する独立した第三者機関の設置を検討すること。

2、罰則の強化

⑥連座制の強化

国会議員関係政治団体の政治資金収支報告書について、代表者が適法に作成されている旨の確認書を提出すること。そのうえで、虚偽記載等があった場合において、政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の「選任」又は「監督」のいずれか一方について相当の注意を怠ったときは、罰金刑に処すこと。

Ⅱ、調査研究広報滞在費について

1、使途の明確化、使途の公開、未使用分を国庫へ返納

国会議員に毎月支給される調査研究広報滞在費の使途を明確化し、使途を公開すること。未使用分は国庫へ返納すること。

Ⅲ、当選無効となった際の歳費について

1、選挙違反により当選無効となった際に国庫へ歳費を返納

選挙違反等により、当選無効となった国会議員に対し、国による不当利得返還請求権の行使が困難な場合には、歳費の返納を義務付けること。合わせて、勾留された国会議員の歳費等の支給を停止すること。

Ⅳ、分党・解党をする際の政党交付金の扱いについて

1、政党交付金残高の返納

分党・解党をする際に、資金を別の党や政治団体へ寄付することを禁止し、政党交付金残高を返納すること。

 
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