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ズバリ聞きます! ネット上の誹謗中傷対策

2022年8月7日付 公明新聞より転載

インターネット上の誹謗中傷が増える中、公明党が推進した対策の一環として、先月7日に「侮辱罪」を厳罰化する改正法が施行され、悪質な投稿への歯止めが強化されました。党インターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策検討プロジェクトチーム(PT)座長の国重徹衆院議員に聞きました。

Q 「侮辱罪」厳罰化の狙いは 

A 懲役・罰金を新たに追加悪質な投稿への歯止めに

アスカ 問題の背景は。

国 重 スマホやSNS(会員交流サイト)の普及に伴い、ネット上の誹謗中傷や人権侵害をめぐる相談件数が急増しています。総務省の機関に寄せられた昨年度の相談件数は6000件を上回り、この10年で4倍に。2020年にはSNSで中傷を受けた女性プロレスラーが命を絶つ痛ましい事件がありました。

公明党は”人権を侵害する投稿は絶対に許さない”との観点から20年5月にPTを設置。専門家や事業者との意見交換を重ね、同6月に政府に提言を行うなど、実効性ある対策をリードしてきました。

アスカ その一つが「侮辱罪」の厳罰化ですね。

国 重 悪質な侮辱行為には厳罰で対処することで、人を傷つけるようなネット上の書き込みや投稿に対する抑止効果を高めることが狙いです。

これまで侮辱罪の法定刑は刑法上で最も軽い「拘留または科料」のみでしたが、今回の改正法では「1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金」を追加。公訴時効も延長され、投稿者の特定から立件までに余裕ができました。

 

Q そのほかの対策は

A 発信者を特定する裁判の手続き簡素化し負担軽減

アスカ その他の対策は。

国 重 ネット上で匿名の発信者から誹謗中傷を受けた場合には、まず、その発信者が誰であるかを特定しなければ、損害賠償請求などを行うことができません。これまで発信者の特定には最低でも2回の裁判手続きが必要で、時間や費用、労力の負担が非常に大きく、被害者が泣き寝入りするケースもありました。

そこで、1回の手続きで発信者が特定できるよう、「新たな裁判手続き」を創設しました。今年の10月から始まり、被害者の負担が軽減します。

これを機に、「匿名であっても人権を侵害するような投稿をすれば、特定され、民事上・刑事上の責任を問われ得る」という認識が社会に広がれば、匿名を隠れみのにした悪質な投稿の抑止にもつながると期待しています。

アスカ ネット利用の正しい知識も大切ですね。

国 重 ネット社会では誰もが被害者にも加害者にもなり得ます。身を守る方法や情報モラルに関する理解促進に向け、総務省の特設サイト「#No Heart No SNS」の周知も含めた啓発活動にも力を注いでいきます。

Q 公明が重視した点は

A 「表現の自由」への保障と被害救済のバランスを図る

アスカ 対策を進めるうえで公明党が重視した点は。

国 重 被害者の救済と、憲法が保障する「表現の自由」のバランスを図ることです。匿名による自由な発信には、言論活動を活発化する大切な側面もあるからです。

公明党が政府に行った提言は、多くの識者から「専門的な知識を生かした非常にバランスの良い対策になっている」と評価されています。裁判手続きの簡素化はじめ政府が行っている現在の対策に、それが反映されています。

アスカ 今後の課題は。

国 重 「一刻も早くネット上の中傷を削除してほしい」というのが被害者の切実な思いです。瞬時に情報が拡散されるネットの世界では、不適切な投稿に対してSNS事業者などが適切・迅速に対処することも極めて重要です。

一部の事業者では、AI(人工知能)技術を用いて悪質な投稿を適切に削除するなどの取り組みも進んでいますが、こうした取り組みを注視しつつ、それが不十分な場合には運用の透明性に関する法制化も検討する必要があると考えられます。

 

 

 

 

 
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