国重とおるフェイスブックより
身寄りのない人が亡くなって、受け取り手のない現金を自治体で保管し、半永久的に塩漬けになる「遺留金」問題。
平成30年時点で、大阪市だけでも約7億円。自治体は対応に苦慮し社会問題化していましたが、国では手付かずの状態でした。
この難題に挑み、関係省庁と真剣勝負の議論を続け、解決の道筋を立てることが出来ました。これに関する記事です。
【身寄りない故人の遺留金】
<行き場ない状況を解消/国重氏が推進、「供託」活用で国の財源に>
身寄りのない人の死後に残された所持金(遺留金)が、引き取り手のないまま自治体に保管され続ける――。
一人暮らしの高齢者の増加などに伴い、こうした課題に各自治体が悩んできた実情を受け、政府は現在までに対策を強化。遺留金の円滑な処理に向けた手引の作成などを進めてきた。
複雑に制度が絡み合うため、長年放置されてきた難題だったが、公明党の国重とおる衆院議員が解決に導いた。
遺留金は原則として、まず各自治体で故人の葬祭費に充てられる。余った場合は、自治体の調査で相続人が見つからなければ、民法に基づく清算などの手続きを経て、残金が国のものになる。
しかし、遺留金が少額だと、数十万~100万円程度とされる手続き費用の方が高くつくため、自治体は処理が困難に。相続人の捜索も難航するケースがあり、手付かずの状態で保管され続ける遺留金は各地で増加傾向にあった。
弁護士として遺留金問題に関わった経験もある国重氏は、2018年2月の衆院予算委員会で同問題に言及。大阪市が保管する遺留金が17年3月末時点で7億円超に上る半面、この問題に国が手を付けていない実態などを挙げ「制度が現実に追い付いていない」と力説した。
その後も国重氏が政府と議論を続けた結果、20年2月の同委員会で国重氏は法務省から、相続人が判明しない少額の遺留金は民法上の「供託」(弁済供託)ができるとの初の答弁を引き出した。
弁済供託は、金銭を支払おうとしても相手方が所在不明などの場合に、法務局(法務省の地方組織の一つ)へ金銭を預けて管理を委ねる制度。供託された金銭は、払い渡しを請求する人が現れなければ、一定期間を経て国のものになる。
また、遺留金を巡っては、各自治体において相続人調査の負担が重いことも課題だったが、同委員会で国重氏が負担軽減を訴えた結果、法務省は、自治体が把握している関係者への聞き取りや遺留物品の確認など合理的な範囲の調査で相続人が判明しない場合には、供託の活用が考えられるとの見解を表明。既に保管中の遺留金も、要件を満たせば供託できるとした。
同委員会で法務省は、供託によって「遺留金の保管を継続せざるを得ない“塩漬け状態”は生じなくなる」と説明。森雅子法相(当時)は「(国重氏の)指摘により、遺留金の問題が整理された」と評価した。
■政府、自治体向けの手引作成
さらに政府は国重氏の主張を受け、弁済供託制度を自治体に周知する手引を今年3月末に作成するなどの環境整備も進めた。
国重氏は「長年放置されてきた遺留金の問題を法的に整理し、国の財源として有効活用する道筋を付けることができた。今後も社会の難題の解決に粘り強く取り組む」と決意している。
2021年9月24日 公明新聞より転載