活動報告

ニュース

新成人のみなさん おめでとうございます。

(01/09 国重とおるフェイスブックより)

新成人の皆さん、ご家族の皆さん、おめでとうございます。今日は青年の皆さんと一緒に成人の日の記念街頭をしました。

なお、成人式は、多くの自治体が20歳を対象に行っていますが、民法上の成年年齢は、昨年4月に18歳に引き下がっています。この法案審議の際、党を代表して衆議院本会議で討論をしました(平成30年5月)。その内容を掲載します。

(第196回国会 衆議院 本会議 第31号 平成30年5月29日)

 

私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました民法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論をいたします。

若者を社会の中でどのように位置づけ、いかなる権利や責任、役割を与えていくのか。これがひいては、その国のあり方、社会の方向性を示す一つの指標になります。
G7等の主要国を含め、18歳成人は今や世界の主流です。

少子高齢化が急速に進む我が国においても、未来を担う若者が、政治、経済、文化といったさまざまな分野にかかわり、より主体的、積極的に活躍していくことが期待されます。そのためには、若者の自己決定権を尊重するとともに、若者が安心して活躍できる社会の土台、環境を整えていくことが必要です。

このようなことから、平成19年、憲法改正国民投票法の制定の際に、与野党を超えた立法府の意思として、選挙権年齢や成年年齢も20歳から18歳に引き下げることが望ましいという政策の大きな方向性が示されました。それをもとに、選挙権年齢は既に18歳に引き下がっています(中略)。

本改正案は、そういった与野党を超えた大きな政策決断の流れに沿った改正であって、立法府が責任を持って成立させるべきものであり、世界の趨勢、我が国の将来を見据えた上でも必要な法案であることから、賛成をいたします。

他方で、成年年齢の引下げは、積極的な意義がある反面、さまざまな懸念も示されており、これらの指摘には真摯に耳を傾ける必要があります。

そして、引下げに伴う環境整備の取組に不十分な点があったとすれば、その責任は政府だけでなく立法府にあることを我々は強く自覚し、約4年後の2022年4月1日の施行日に向けて環境整備を加速させなければなりません。

とりわけ、委員会審議で強い懸念が示されたのは、消費者教育や若年消費者を保護する施策がこれまでのものでは不十分であり、18歳、19歳の若者に対する消費者被害が拡大するのではないかという点です。

この点、若年者への消費者教育に関しては、本年2月20日の4省庁関係局長連絡会議で、新たに、若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムが決定されました。関係省庁が横連携し、2020年までの3年間を集中期間として取り組むことで、これまで以上に消費者教育が強力に推進されることになります。

この内容は、消費生活専門相談員として40年間奮闘されてきた参考人からも、今まで私たちが求めていたものが網羅されている、これまでにない飛躍的な前進などと高い評価と強い期待を受けるものとなっております。

また、若年消費者を保護する施策については、社会経験が乏しい若年者などを対象として、契約取消しの範囲を拡大する消費者契約法改正案が先日、衆議院において全会一致で可決されたことは、御存じのとおりであります。

加えて、政府は、今後も、若年者の消費者被害の状況等を把握し、これを踏まえて、必要に応じた法整備を含めた検討を行うこととしております。

このような国を挙げての取組が加速されていくことで、若年者の消費者被害の拡大防止に向けた施策が更に強化されることになります。

委員会審議では、さまざまな事情により親元で暮らせない子供たち、社会的養護を必要とする子供たちへの支援が切り下げられるのではないか、中でも、児童養護施設に入所できる年齢上限について、必要に応じて20歳まで延長できるとされていることが、本改正を機に引き下げられるのではないかとの懸念も示されました。

しかし、これについては、政府より、支援の必要性を考慮し、現行の要件を維持することとしていること、本法案が成立した場合には、現場の懸念が生じないようその周知を図ること、そして、社会的養護が必要な子供たちに対するより一層の支援に取り組んでいくとの明確な答弁を得ており、この懸念は杞憂にすぎません。

ほかにも、成人式の時期やあり方など、成年年齢の引下げを見据えたさまざまな環境整備が必要となりますが、これらを政府一体となって責任を持って進められるよう、我が党の提案、強い主張を受けて政府が先月設置したのが、これに関する関係府省庁連絡会議であります。

この連絡会議では、既に、約4年後の本法案の施行日に向け、環境整備を確実に実施するための工程表も作成しており、今後、それに沿って進捗管理をすることになっております。また、その進捗状況を関係府省庁だけではなく我々立法府もチェックできるよう、会議の議事録を作成し、法務省のホームページで公開されることも決まっております。

更に注目すべきは、委員会審議で与野党を超えて共有された視点、すなわち、成年年齢になったからといって直ちに完成された大人になるわけではない、成年年齢は大人への入り口であって、いまだ成長過程にあることから、自己決定権とともに、それぞれに応じた支援、保護が必要である、この重要な視点を、関係府省庁連絡会議において、各施策に取り組む際の共通認識として打ち出すことを、同会議の議長である上川法務大臣が答弁で強く明言したことであります。

今般の成年年齢引下げを機に、この視点に立った若者支援に関する大きな政策転換、政策強化が進められていくという意味からも、本改正案は極めて意義あるものと言えます。
なお、18歳が成年になったとしても、大人として自立するための保護と支援が必要であるという考え方は、保護政策の一環である少年法にも共通することから、その適用対象年齢の引下げを慎重に考えるべきことは当然であります。

最後に、改めて申し上げます。

成年年齢の引下げは、与野党を超えた立法府の主導で決められたものであります。単に18歳、19歳の若者の自己決定権が拡大するということにとどまらず、本改正を機に、真の意味で若者がより活躍できる社会をつくっていくことができるかどうか、それは、これからの我々立法府、そして政府の取組にかかっております。

与野党を超えてこれに関する真摯な取組がなされることを期待し、また、みずからも立法府の一員として、引き続き責任感を持って本件に取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私の討論を終わります。ありがとうございました。

外部リンク>>第196回国会 衆議院 本会議 第31号 平成30年5月29日 国重徹全文

 

 
PAGE TOP