「10分で約1万3000人が亡くなる」
南海トラフ地震の発生からわずか10分で、西淀川区佃地域では最大約1万3000人もの方が亡くなる--。2013年10月、大阪府が発表した南海トラフ地震の被害想定は、まさに衝撃的でした。地震発生からわずか10分で、大阪市内10カ所の堤防が強い揺れで液状化し決壊。神崎川と兵庫県境の左門殿川に挟まれた西淀川区の佃地域は、流れ込んだ濁流により浸水する。すぐに避難を始めたとしても、高さ約8mの堤防が決壊すれば、約1万6000人の人口(当時)の内、最大で1万2978人もの方が亡くなるというものです。
「急いで命を守る堤防の早期実現を要望」
この衝撃的な予想を受け国重はすぐに地方議員と連携。2014年1月には、太田昭宏国土交通大臣(当時)のもとへ直談判に行き、人命を最優先に、一日も早く堤防の工事を実現するよう強く訴えました。この申し入れの結果、国がその緊急性を重く受け止めて、「最緊急個所は3年、緊急個所は5年で工事が完了」するよう、400億円の予算を確保。2019年3月に堤防を完成させることができました。
「私たちの願いを届けてくれる人」
堤防の工事について、水防団の中心者の方がこう語ってくださっています。「地域では日頃から、災害に対する備えや緊急時の避難行動など、防災対策は十分やっています。ただ、私たちだけでは手の届かない部分があります。そういった部分を国につなげてくれたのが国重さんです。今後も国重さんと一緒になって災害に備え、大切な地域の皆さんの命を守っていきたいです。」