今国会から理事を務める衆議院 消費者問題に関する特別委員会において、
高齢者や若者の消費者被害の防止に向け、河野内閣府特命担当大臣(消費者担当)に質問しました。
(国重とおるツイッターより)
消費者被害を食い止めるために、
トラブルが発生したときに相談できる窓口が身近な自治体にあるということは大事。
平成27年3月の消費者庁の調査によると、
市町村の消費者相談窓口の未設置自治体が「ゼロ」になった、
つまり、相談体制の空白地が解消された、とのこと。
他方で、市町村全体のうち、消費者行政を担当する職員について、平成27年4月1日時点で、
「専任」職員が配置されている市町村数は全体の1割強に過ぎず、「兼務」職員が実に9割弱。
しかも、兼務職員1名で対応している市町村は4割弱。相談窓口を実質的に機能させる必要がある。
「消費生活相談員」とは、もっぱら消費生活相談の業務に就いている人のことをいうが、
現在は殆どが非常勤職員か民間委託先の職員として採用。
昨年度の「消費生活相談員の勤務形態別内訳」によると、常勤職員は92名、
これに対し臨時・非常勤職員は2606名、民間委託は669名。
非常勤職員は常勤職員に比し給与が低い、昇給もない、昇進もない、職を失う不安もある。
平成28年度から消費者相談の質の確保・向上を図るため、消費生活相談員の国家資格制度がスタート。
もっとも、質の向上のためには、消費生活相談員の処遇の改善も必要。
平成27年版の高齢社会白書によると、我が国の総人口は平成26年10月1日時点で1億2708万人、
うち65歳以上の高齢者人口は、過去最高の3300万人、
総人口に占める割合は26.0%、これも過去最高。
高齢者が消費者被害に遭うということは、
これまで貯蓄した経済的基盤を失って、毎日の暮らしや将来への不安を抱えることになる。
安心して暮らせる社会をつくるために、悪質業者から高齢者を守ることが必要。
これまでの「見守りネットワーク」を法律によって具体的に裏付けるべく、
平成26年6月に消費者安全法が改正され、
各自治体は「消費者安全確保地域協議会」を設置することが促されている。
この「ネットワーク」を実効性あるものとするためには、福祉部門と消費者部門との連携の強化が必要。
もっとも現実にこの連携は簡単ではない。大阪弁護士会では、官官連携をしてもらうべく、
地域見守りネットワークの構築に向けて地元自治体に呼びかけを行っているが、
呼びかけによって合同での会議はできても、連携や要項づくりとなると難しい。
消費者庁がリーダーシップを発揮しないといけない。
振込め詐欺の被害を水際で食い止めるために、金融機関の職員が顧客に「声かけ」を実施している。
これにより昨年は1万2336件が阻止。被害を回復できた金額は266億4000万円。
平成26年度の未成年者の相談を、小学生、中学生、高校生、大学生等に分類してみると、
共通点として、インターネットを利用した、アダルト情報サイト、オンラインゲーム等の
デジタルコンテンツが最も多いという点が挙げられる。
スマホゲームなどのオンラインゲームに関する「高額課金」の消費生活相談は、近年増加傾向にあるが、
未成年者に関する相談件数は、平成25年度は2439件と全体の約4割を占めている。
そのなかで相談の「低年齢化」も進んでいる。ここをどう守っていくか、消費者庁と議論。