公明新聞に、6月施行の刑事訴訟法(合意制度)に関する解説記事が掲載されました。
(以下、2018年5月2日付公明新聞より抜粋)
国重徹・党法務部会長に聞く 検察不信が改革の起点。適正な運用へ監視必要
――改正刑事訴訟法は新時代の刑事司法を開くことができるか。
国重徹部会長 改正論議の発端は、重大な冤罪事件が相次いだことだ。
主な原因は捜査当局による自白の強要だ。また、村木厚子元厚生労働省局長が2010年に無罪判決を受けた郵便不正事件では、大阪地検特捜部による証拠隠滅、犯人隠避まであった。こうした検察不信が今回の改革の起点であることを忘れてはならない。取り調べの可視化は、信頼回復に欠かせない制度だ。
――その一方で検察に有利な合意制度もできた。
国重 これまで、組織的犯罪の首謀者を解明しようにも有効な手法がなかった。合意制度はあくまで組織的犯罪の全容解明に必要な範囲で実施される。
検察は可視化に応じながら、合意制度という証拠収集の新たな手段を獲得したので「焼け太りだ」との批判も国会審議であった。合意制度が不正に利用されないよう改正法は歯止めをかけているが、検察が現場で適切な運用をしているかどうか、しっかり注視する必要がある。
最高検察庁は3月、合意をするために必要な協議を開始する場合、地検はあらかじめ高検、最高検に報告するよう求める通達を出し、また、合意に基づく供述は裏付け捜査をして「その信用性を徹底して吟味すべき」などとする運用方針も示した。運用方針が守られるよう監視していきたい。