「水面すれすれの橋」
阪神なんば線「淀川橋梁」は「水面すれすれの橋」として全国的にも有名な橋。一番低い橋桁部分から水面まではたった4.28m。堤防より1.8mも低い位置にあるため、防潮扉が線路を横切るという珍しい鉄橋です。この防潮扉、高潮や洪水等の増水時には閉めなければいけませんが、実はこれを閉めているのは機械ではなく、水防団員の人の手。まさに命がけの作業です。また、1924(大正13)年に設置された古い橋なので、橋脚は39本と多く、災害時には流木やガレキが引っ掛かり橋を壊してしまう恐れも指摘されてきました。
「一日も早い架け替え工事を」
地域の皆さん、そして水防団の皆さんの命を守るため、なんとしても橋の架け替え工事を実現しなければならない――。国重は一日も早い工事の実現に向け、地方議員とも連携して国に要望。これも後押しとなり、2017年1月には国土交通省を中心に国・府・市・鉄道事業者からなる「阪神なんば線淀川橋梁改築に係る事業調整協議会」が立ち上げられ、地域住民の方々にとって悲願であった架け替え工事が決定しました。
「悲願が現実に」
架け替え工事が完了すると、右岸の福駅が高架に、左岸の伝法駅も高い場所に移動されます。また橋脚も現在の39本から10本に減ることで防災機能が強化されます。2018年12月には地域住民の方々の喜びに包まれるなか起工式が行われ、総事業費約563億円のビックプロジェクトが2032年6月完了に向け動き出しました。