今般、法務省が民法の「嫡出推定」規定の見直しなどを検討する
有識者研究会を発足させることとなりました。
本年7月、国重は公明党法務部会長として
法務大臣・総務大臣へ無戸籍者問題解消に向けた申入れを行っています。
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(2018年9月25日付公明新聞より)
法務省は10月にも、出生届が提出されていない無戸籍者の解消に向けて、
女性が婚姻中に妊娠した子は夫の子と見なす
民法の「嫡出推定」規定の見直しなどを検討する有識者の研究会を発足させる。
研究会の議論で民法改正が必要と判断されれば、法相が法制審議会に諮問する。
無戸籍者は、住民登録や運転免許、パスポートの取得、銀行口座の開設などが
できないだけでなく、進学、就職、結婚といった場面でも不利益を被る。
法務省は、8月10日時点で715人の無戸籍者を把握している。
総務省によると、昨年度、自治体が無戸籍者らに対して住民票を発行した数は812人。
法務省が把握している人数は“氷山の一角”との指摘もある。
無戸籍者を生み出す大きな要因となっているのが、「嫡出推定」だ。
この推定を覆し、親子関係を否定するための「嫡出否認」の訴えは、
現行法では夫や元夫にしか認めていない。
このため、夫の暴力から逃れている女性や、
離婚直後に元夫とは異なる男性の子を妊娠した女性は、
産まれた子が夫や元夫の戸籍に入らないよう出生届を出さず、
無戸籍になるケースが多いとされる。
研究会では、「嫡出推定」の見直しとともに、
「嫡出否認」の権利を母親や子に拡大することも検討する。
無戸籍者の解消に向けた民法改正の検討については、
公明党の無戸籍問題等プロジェクトチーム(PT)と法務部会が7月、
法務省で上川陽子法相に提言。
席上、公明党側は「無戸籍問題は基本的人権にかかわる深刻な問題」と強調し、
「嫡出否認」を訴える権利者の拡大や、「嫡出推定」に例外規定を設けるなど、
新たな無戸籍者を生み出さないための民法改正の検討を求めた。
<嫡出推定>
民法772条は、婚姻中に妊娠した子は夫の子、
離婚後300日以内に生まれた子どもは元夫の子と推定すると規定。
DV(配偶者などからの暴力)などで夫と別居中の女性が、
別の男性との子を出産しても、戸籍には夫の子として記載される。