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衆・法務委 相続法改正案について参考人質疑

衆議院法務委員会で、民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案、
法務局における遺言書の保管等に関する法律案について参考人質疑を行いました。

以下、議事録全文です。

○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹でございます。

 本日は、三名の参考人に当委員会までお越しいただきまして、貴重な御意見を賜りましたこと、まずもって心より感謝と御礼を申し上げます。

 まず、窪田参考人にお伺いいたします。

 私は窪田先生の論文を読ませていただきました。

 その中に、相続という制度について、その不条理な性格、それが言い過ぎだとすれば、合理的に説明することが困難な性格があるんだというような記述がございます。

 その上で、このような記述もございました。

 実際の相続法は、単純な一つの根拠によって基礎づけられているわけではなく、多くの原理が複合したものである。したがって、相続制度を単一の原理で説明しようとすることは不可能だし、また期待されていないだろう。しかし、複数の異なる機能を実現する制度であるということは、その制度の複合的な性格の分析を拒むことを意味するわけではない。もっとも、法制審議会における議論等においても、複数の目的、機能として何があるのか、それらは相互にどのような関係に立つのかといった視点とは別の次元で、すなわち、被相続人の意思か、清算か、扶養かといった複数の要請の対立とは別に、そもそもそうした分析を受け入れるのかという基本的な姿勢での対立図式があったように思われるというようなことを述べられております。

 私も、相続、法定相続分、配偶者が二分の一で、子供も総体で二分の一だとか、相続人の範囲はこの範囲なんだというようなものを何か所与のものとして考えていましたけれども、確かに、先生の論文を読ませていただいて、なるほど相続の根拠というのもなかなか難しいものがあるなというものを感じさせていただきました。

 その上で、今回の法制審において要綱を取りまとめるに当たって最も苦労した点、これはどのような点だったのか、ちょっと雑駁な質問になりますけれども、ぜひお伺いしたいと思います。

○窪田参考人 要綱を取りまとめる担当者ではございませんでしたので、あくまで私の立場からということで述べさせていただきたいと思いますが。

 委員から今御指摘のありました点というのは、相続について基本的な性格をどう考えるのかというレベルで、恐らく契約法とか不法行為法についていろんな考え方があるというのとはかなり違うレベルで議論が対立している、あるいはそもそもはっきりしていないということがあるのではないかと思います。

 私自身はもう、言及してくださった論文の中にありますとおり、かなり複雑な性格であるけれども、その複雑な性格というのをある程度までは分析して、そして制度をつくっていくことができるのではないか、先ほどちょっと触れましたが、清算といった側面をもう少し表に出して考えていくことができるのではないかというふうに思っておりましたし、そういうものの具体例としては、最終的には見送られましたが、相続分をめぐる問題、それから寄与分をめぐる問題、そして今回残った特別寄与の問題というのがあったというふうに思っております。

 ただ、恐らくそうではなくて、そういうふうな分析の観点とは別に、やはり紛争を長期化、複雑化させるということを避けるべきだという御意見も大変に強かったと思いますし、それは幾つかの分析とは全く性格の違うものだということは私も思うんですが、ただ、じゃ、全く理解できないかというと、よくわかるような気もいたします。

 つまり、人生にとって、一生に一度あるかないかではなくて、誰でも必ず被相続人にはなるわけですから、必ず誰にとっても身近なものである相続というのが非常に複雑な制度になっているというのは、それ自体避けるべきだろうということがありますし、ひょっとすると、相続というのは、余り細かい分析をせずに、割り切りをすることによって初めてその仕組みとして機能しているといったような見方もあるのかなというふうに思います。その見方に賛成だというわけではないんですけれども、理解はできるということになります。

 そうしますと、全体としてこういった制度をどうやってつくっていくのか、何と何が対立しているのかという話が大変にわかりにくい形で議論がなされていくということになりますし、法制審議会の議論の中でも、AとBが対立しているというような単純な構造ではなくて、AとBの、それとは別のところで甲と乙が対立しているというような、そういった議論構造になっていたのが、最終的な法案にまでまとまるまでの間の、特に担当の方が苦労された点ではないかと思います。

 ただ、それを踏まえましても、最終的にでき上がったものというのは、それなりに参加していたメンバーの相互の理解が得られるようなものになっていたというふうに認識しております。

 御質問をいただいた点について適切にお答えできているかどうかわからないんですが、御容赦いただければと思います。

○國重委員 ありがとうございました。

 続きまして、吉田参考人にお伺いいたします。

 吉田先生の先ほど配付いただいた論文も読ませていただきました。その中にこのような記述がございました。「法律婚の価値だけでなく他の家族的結合の価値も同様に重視して、相続法が多元的な価値の調整の上に成り立つ法制度になるよう努めることである。」というような記述がございました。

 確かに、家族のあり方も多様化していっておりまして、こういうものは私も認めていくべきだと思っております。

 先ほど同性婚のお話もされました。私の地元の大阪事務所がある行政区というのは大阪市淀川区といいまして、LGBT支援宣言を全国で一番最初に出したところが私の地元でございます。そういうことで、当事者の方からも数多くお話も聞いてまいりました。

 私は、選択的夫婦別氏制度とかも将来的には我が国へ導入せざるを得ないんじゃないかと思っていますし、また、同性婚ないしそれに準じるような制度についても、やはり将来こういったものも視野に入ってくるというように思っております。

 ただ、どういうふうな順序を追ってやっていくのか、やはりLGBTの方々への理解を促進していくような、いろいろ漸進的なやり方を考えていかないといけないんじゃないかと個人的には思っておりますけれども、そういう方向も大事だと思っております。

 また、内縁の一方の配偶者が亡くなった場合に、支え合って生きてきた一方の配偶者に対して何らかの配慮というのもあっていいんじゃないかというふうにも思います。ただそれが、生前贈与なのか、遺言制度なのか、それともこの相続法の中に何か入れてくるのかということについてはまたいろいろと、私も個人的に研さんをまた積んでいかないといけないなと思っているところであります。

 他方で、民法には法律婚というのが決められていまして、法律婚があるからには、やはり一定のインセンティブというのがそこになければいけないというか、法律婚だからこそ何か保護されるというものもあってしかるべきなのではないかというふうにも思うところでありまして、吉田先生がここでおっしゃられている、「同様に重視して、相続法が多元的な価値の調整の上に成り立つ法制度になるよう努めることである。」これは将来的にどのようなものを視野に入れて考えられているのか、お伺いしたいと思います。

○吉田参考人 御質問どうもありがとうございました。

 私は、家族的結合の多様化を踏まえて、それぞれの結合について個人の尊厳を大事にしながら法的にも一定の保護を与えていく、これがやはりあるべき姿と思っていますけれども、他方で、保護のあり方もまた多様であり得ると思うんですね。

 例えば法律婚、これが一つの核心的な制度になっていますけれども、法律婚という制度がある以上、それを選んだ人に対して法律婚に与えられる保護を与える、選ばなかった場合、それは別である、これは制度がある以上は当然だと思います。ただし、法律婚に余り特権的な地位を与えることはほかの家族的結合に対する配慮という点でどうなんだろうか、こういうことを思いますので、だから法律婚と同じ保護を等し並みに与えるということにはならないと思いますけれども、やはりそれぞれの特性に見合った法的保護を与えていく、これがあるべき姿だろうと思っております。

 その際、相続法がどういう意味を持つかということですけれども、これも今申し上げたこととリンクしまして、つまり、全ての家族的結合の場合に相続権を与える、そういうことにはならないと思うんですよね。ただ、その際に、相続権でない場合も、相続代替制度という言葉が時々使われますけれども、それ以外のいろいろな法的制度を使った保護、適切な保護というのはどういうものがあり得るのか、これを詰めていく、また、もちろん場合によっては相続法の制度を使いながら保護を与えていく、こういうことをきめ細かに検討していくことが将来のあるべき姿ではないかと思っている次第でございます。

 以上です。

○國重委員 ありがとうございました。

 続きまして、鈴木参考人にお伺いいたします。

 鈴木参考人にも同じように、今の社会の中で、家族の多様なあり方がある中で、どのような方向性に今後相続法制を持っていくことが適切だと思われるのか。

 それと、この大きな視点と、先ほど、特別の寄与の範囲、寄与者の範囲について、被相続人の親族に限定するのではなくて、より広く考えていくべきだというようなお話がございました。中国にもそのような法制があるんだということでした。

 ただ、一方で、複雑化、長期化しないのかなという懸念も生じて、これもある意味当然だとも思います。中国ではなぜそういうようなことが複雑化、長期化しないのか。例えば私もちょっと面倒を見たよというようなことをいろいろな人が言い出したら、いつまでたっても紛争が、相続が決着しないということにもなりかねません。

 この辺のことについて、複雑化、長期化しないためにどのような方策が必要だとお考えなのか、このあたりについてもお伺いしたいと思います。

○鈴木参考人 お答え申し上げます。

 私としては、先ほども申し上げたとおりですけれども、過度に法律婚を特権化しない方がよい、多様な家族を営む人に対してニュートラルな制度設計をすべきであるというふうに思っております。そういう意味では、今回の改正草案はややその点の配慮が足りないのではないかというふうに思います。

 法律婚をどう考えるかというのは非常に難しいですけれども、いずれにしろ、何を選ぶかについて、何かを選んだからといって不利益になるような制度設計にはすべきではないというふうに思っておりまして、いかなる人生を歩むかを個々の国民が選択する、どれを選択しても損にならないような仕組みを整えるのが法的な立場としては望ましいのではないかというふうに思っています。

 それから、特別寄与につきましては、先ほども申し上げたとおり、親族要件を外すべきである、そうしないと、今の段階では同性カップルは全く排除されてしまいますので、そのように思っております。

 財産法的処理についての御指摘もございましたけれども、同性カップルがそういうものを実際に使えるか、例えば契約を結んだりあるいは遺言を残すということができるのかということは、私は実際としては非常に難しいというふうに思っています。ですから、それで解決しろというのは無理を強いることではないのか。

 いずれにしても、被相続人の相続人との間で争いが起きることになります。そのときに同性パートナーが闘わなきゃいけないんですね。その武器を与えていただきたいと私は思います。いずれにしても、弱い立場にあって、表立って主張することがすごくはばかられるような、そういう状況にある同性パートナーが、ちゃんとした法的な権利を主張できるような手だてを与えていただきたいというふうに思います。

 将来的には、当然、同性婚を認めるという方向に行くんだろうと思いますけれども、理解が先か法が先かという議論はよくありますけれども、先日、フランスの方々とシンポジウムをしました。フランスでは、やはり法律が先行しているんですね。今でも反対論は渦巻いています。しかし、法律ができることによって、とにかく語ることができるようになる。アジェンダが設定される。これは非常に重要でして、そのことが理解を促進していくわけで、理解があるから法律ができるのではない、私は順番が逆だろうというふうに思っております。

○國重委員 ありがとうございました。しっかりと今の御意見も踏まえて、私も検討してまいりたいと思います。

 ちょっともう時間がなくなったので、最後、私が話して終わりにしますけれども。

 私は、そういった同性パートナーの方たちも、いろいろと今後配慮できるような世の中にしていかないといけないと思っております。また、これは同性パートナーとか法律婚の配偶者とか親族とか関係なく、やはり相続というのは、私も弁護士出身ですけれども、争う族の争族になりかねない。遺言を残した場合には比較的そういうことにはならない、スムーズに処理していける場合が多いかと思っております。もちろん、それぞれの事情に応じてですけれども、この遺言制度をより活用できるような世の中にしていくことが必要なんじゃないかな、残された人への愛情とか思いやりというのもそういう中に一端があらわれるのではないかなというふうに思います。

 もちろん、しかるべき年齢にならないとなかなかつくらないとかいうようなことはあるかもしれませんけれども、引き続き、遺言制度についても研究しながら、また、きょう三名の参考人からいただきました貴重な御意見をもとに、更に研さんを深めてまいりたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。



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