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衆・法務委 選択的夫婦別氏について質疑

衆議院法務委員会において、
選択的夫婦別氏、旧姓の通称使用の拡大について議論しました。

以下はその議事録全文です。

※参考としている議事録は確定版ではございませんので、
 場合により訂正が入ることがございます。ご了承ください。

○國重委員

おはようございます。公明党の國重徹でございます。
今国会もどうかよろしくお願いいたします。

平成八年に法制審議会が選択的夫婦別氏制度の導入を答申してから、二十年がたちます。しかし、まだこれは法制化されておりません。大臣所信ではこの選択的夫婦別氏制度について触れられておりませんでしたけれども、国会で議論すべき大事なもののテーマの一つであると思いますので、きょうは、選択的夫婦別氏制度、そして旧姓の通称使用の拡大、これらについてお伺いしてまいりたいと思います。

 

▸選択的夫婦別氏制度について

 

当然のことですけれども、この選択的夫婦別氏制度というのは、何も日本人の夫婦を全て別氏にするという制度ではございません。あくまで選択ですので、結婚した後も別氏を望む人だけが別氏にするという制度であります。

きょう私が言いたいことの骨子、結論を先に言いますと、我が国の社会の変化とか将来を見据えたときに、選択的夫婦別氏制度あるいは例外的夫婦別氏制度、こういったものは早晩、導入せざるを得なくなるんじゃないか。そうであれば、できるだけ摩擦を少なく、スムーズに導入できるように、それに関する諸課題についてこれまで以上に検討、準備していく必要があるんじゃないか、これがきょう、私が一番言いたいことであります。

具体的な質問に入らせていただきます。

 

*選択的夫婦別姓の導入に対する見解

まず、選択的夫婦別氏制度の導入について、上川法務大臣の見解をお伺いいたします。

 

○上川国務大臣

御質問の選択的夫婦別氏制度につきまして、この導入につきましては、我が国の家族のあり方に深くかかわる重要な問題であるというふうに考えているところでございます。

平成二十九年十二月に内閣府が実施した世論調査の結果におきましては、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして、国民各層の意見が分かれているということが改めて示されたものと理解しているところでございますが、平成二十四年の世論調査の結果と比べてみますと、選択的夫婦別氏制度の導入について賛成する意見がふえているということも事実でございます。

今回の世論調査の結果を受けまして、直ちに選択的夫婦別氏制度を導入すべき状況にあるとは言えないものと受けとめているところではございますが、今回の世論調査結果には、世代間の意見に大きな違いが見られたことなど、貴重なデータが含まれているものと考えております。

今後、今回の世論調査の結果につきまして、例えば配偶者、子供、兄弟の有無などの違いによってどのような意識の違いがあるのかや、あるいは選択的夫婦別氏制度に賛成の人、反対の人などが他の質問でどのような回答をしたのかといったきめ細やかな分析をし、過去の世論調査の結果とも比較検討などを行った上で、引き続きの対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

 

○國重委員

ありがとうございます。

大臣は今、世論調査の結果を細かく分析していくというふうにおっしゃられました。また、世代間でもさまざまな意見があるということをおっしゃいましたけれども、昨年実施した内閣府の世論調査によると、四十代以下、四十九歳以下の方は、この選択的夫婦別氏制度の導入について、賛成が反対を上回っております。一方で、今月十三日に閣議決定をされました成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げる民法改正案、これにつきましては、これまで実施した内閣府の世論調査によりますと、反対が賛成を大きく上回っております。

では、なぜ、このような反対意見も多い中で、成年年齢の引下げをする民法改正案を閣議決定したのか。成年年齢引下げの意義国際社会の動向を踏まえての答弁を求めます。

 

○上川国務大臣

成年年齢の引下げについての世論調査等も踏まえてということでの御質問でございます。

今回、この成年年齢の引下げにつきまして、憲法改正、国民投票の投票権年齢あるいは公職選挙法の選挙権年齢、これらが十八歳に引き下げられまして、既に十八歳、十九歳の者に参政権が与えられているところでございます。法制度としての一貫性、また、簡明性といった観点からは、市民生活の基本法であります民法におきましても、十八歳、十九歳の者を成年者として取り扱うのが適当であるというふうに考えられるわけでございます。

また、諸外国との比較ということでございますが、G7構成国や、また、OECD加盟国のほとんどは、成年年齢と選挙権年齢をともに十八歳と定めておりまして、さまざまな面で国際的な交流が進む今日の状況のもとでは、我が国が成年年齢を二十歳のまま維持する合理性は見出しがたいのではないかと考えております。

これらの事情を総合的に考慮いたしまして、今国会に、成年年齢を十八歳に引き下げる民法の一部を改正する法律案を提出したものでございます。

御指摘のとおり、過去に行った二度の世論調査におきましては、いずれも、およそ八割が成年年齢の引下げに消極的な意見であったところでございます。もっとも、これらの調査におきましては、消極的な意見の中にありましても、法的な物の考え方を身につけるための教育の充実や消費者保護の施策の充実といった前提が整えば、成年年齢を引き下げてもよいという意見が多数含まれているものでございます。

政府といたしましては、これまで、消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策など、成年年齢の引下げの環境整備のための施策の充実に鋭意努めてきたところでございまして、これによりまして、環境整備の施策につきまして一定程度の効果が上がっているものというふうに考えております。

このため、今回、民法の一部を改正する法律案を提出したことにつきましては、国民の意識との間で大きな乖離があるものとは言えないというふうに考えているものでございます。

 

○國重委員

成年年齢の引下げに関しては、今、環境整備について大臣おっしゃられました。私は、まだまだやっていかないといけないことはあると思っております。そういったことで、内閣官房を絡めた、省庁横断的な検討会をぜひつくるべきだというような提案もさせていただきましたし、これについては、まだまだ施行までにやっていかなければならないことがあるかと思います。

この成年年齢の引下げに関する民法改正案の閣議決定を終えた後の大臣の会見、また、今の答弁も聞かせていただきました。世論調査で賛成意見が多数派になっていない中で、国際社会の動向とか、また少子高齢化が進む我が国の社会の変化、こういったものを見据えた上で成年年齢を引き下げる閣議決定をしたということであります。

 

そこで、夫婦別氏制度についても、我が国の社会の変化、また将来を見据えた観点、国際社会の動向といった角度から何点かお伺いしたいと思います。

 

*日本社会の変化への対応―①家族形態の変化

先ほど上川大臣がおっしゃいました、また記者会見でもありましたけれども、少子化が今進んでおります。これに伴って一人っ子の割合もふえております。現在の夫婦同氏の義務化を前提にすると、一人っ子同士が結婚する場合、どちらかの氏を選べばどちらかの氏が途絶えてしまうといった後継ぎ問題、これまで以上にこれが生じてくると思われます。このことも視野に入れて選択的夫婦別氏制度について検討していく必要があると思いますけれども、大臣の見解をお伺いします。

 

○上川国務大臣

現行の夫婦同氏制度のもとでは、兄弟姉妹のいない者同士が婚姻をする場合に、一人っ子同士の婚姻ということでありますが、どちらか一方の実家の氏を継承していくことが難しくなるものというふうに認識をしております。

夫婦それぞれの実家の氏の継承という視点では、選択的夫婦別氏制度の導入の是非を検討するに当たりまして考慮すべき視点の一つであるというふうに考えます。

 

○國重委員

選択的夫婦別氏制度を考えるに当たっては、このような家族形態の変化というのもしっかりと視野に入れていただきたいと思います。

 

*日本社会の変化への対応―②名前の変化

また、氏名というのは氏と名前がセットでありますので、選択的夫婦別氏制度を考えるに当たっては、名前の変化にも注視をしてそれに対応していく必要があると思います。

お配りした資料一をごらんください。

これは、大手販売会社調べによる、二〇〇八年十二月から二〇一七年十月の売上実績で、九年連続、赤ちゃん名づけ実用書売上げナンバーワンとうたわれております「たまひよ 赤ちゃんのしあわせ名前事典二〇一八~二〇一九年版」を抜粋したものでございます。

ここには、線を引かせていただきましたけれども、「ここ数年の名づけの傾向として、男の子、女の子の区別がはっきりとつく名前より中性的な名前が好まれています。」として、男の子の名前にも女の子の名前にも大人気の、人気共通名前読みトップテンが紹介されております。ここに書いているものですね、あおい、ひなた、はる、そら、りお、あさひ、ゆづき、ゆう、みつき、れい、どれもすばらしい名前だと思います。私も娘と息子がおりますけれども、その友達にもたくさんこういった名前の子が、男の子にも女の子にもいます。

そして、男の子例の漢字と女の子例の漢字がここで紹介されておりますけれども、この名前事典の前年版、一昨年版、これも私、読みました。この使用例を見ますと、男女でこれとは逆の漢字の使い方、例をしているものもございます。また、一字名の人気名前ランキング、下部の方に書いているものでは、「あおい」という名前が、女の子のトップであるとともに、男の子の三位になっております。

このような中性的な名前がふえているという名前の変化、社会の変化を踏まえると、近い将来、同じ名前の人同士であっても結婚したいと思うことはレアケースではなくなってくる、これまで以上にふえてくると思われます。今でも同じ名字の人が、氏の人が結婚する場合もあります。しかし、この同じ名前のカップルが法律婚を選んだ場合、現在の夫婦同氏の義務化を前提にすると、夫婦は同姓同名にならざるを得ない。確認ですけれども、これで間違いないでしょうか。

 

○小野瀬政府参考人

お答えいたします。

委員御指摘のとおり、氏名のうちの名前が同じである男女が婚姻した場合には、民法第七百五十条によって夫婦同氏となる結果、夫婦は同姓同名となります。

 

○國重委員

夫婦は同姓同名になるわけですね。

そのことで、法律婚にするか事実婚にするかを悩むカップルが出てくるかもしれません。あるいは、結婚をちゅうちょするカップルも出るかもしれません。同じ名前だから、本当は何か好きになりそうになっているんだけれども、将来のことを考えて恋愛対象から除外してしまうということも、もしかしたらあるかもしれません。

夫婦で同姓同名は紛らわしい、避けたいと思ったカップルにも夫婦同氏を強制することは、私は酷で不合理な制度だと思います。夫婦で同姓同名になることは、その夫婦だけではなくて、その子供や周囲にとっても混乱を招くおそれがあり、不合理だと考えますが、上川法務大臣の見解をお伺いします。

 

○上川国務大臣

先ほどお示しいただきました男の子、女の子の名前のということでランキングを見てみますと、そうした事態も将来起こり得るのではないかと予想する場面もございます。

実例としてどのくらいあるかということについては、把握しているところではございません。下の名前が同じである男女が婚姻をした結果、夫婦が同姓同名となる事例、あるいは、そのような事態を避けるために、下の名前が同じである男女が事実婚を選択しているというような実例がどれほどあるのかということでございますが、承知をしているわけではございませんが、一般論として申し上げれば、夫婦が同姓同名となる場合には、当事者にとって社会生活上の不便が生じ得るものというふうに考えられるところでございます。

 

○國重委員

例えば、同姓同名の場合、郵便物が届いた場合にも、夫婦どちらのものかわからない、あけないとわからない。送り主名でわかる場合もあるかもしれませんけれども、わからない場合もあるなど、社会生活上の不都合、不便というものは生じるんだと思います。

そして大臣、大臣も今言っていただきましたけれども、この問題は今、実際に同姓同名になってしまっている夫婦、また、事実婚を選んだ夫婦がどれだけいるかということだけではありません。先ほど指摘しましたとおり、今後、同じ名前の男女が結婚したいと望むことがふえてくるであろうことを前提に考えていくことのある課題だと私は思っております。

選択的夫婦別氏制度を考えるに当たっては、このような男女どちらでも使えるような中性化した名前がふえつつあるという社会の変化も捉えた上で、今後また違った角度から精力的に検討を進めていく必要があると思いますけれども、大臣の見解をお伺いします。

 

○上川国務大臣

選択的夫婦別氏制度の導入の是非を検討するに当たりましては、ただいま委員から御指摘のような、夫婦が同姓同名となる事態が生じ得る点も含め、さまざまな事情を総合的に考慮する必要があるものと考えます。

○國重委員

これは本当に、社会の変化を先取りして取り組んでいかないと手おくれになってしまうことになります。先ほど言ったように、もう今私の周りでも、先ほど言った、あおい君、あおいちゃんというのは十歳ぐらいでいます。ですので、これらについては、慎重に検討するということでありますけれども、やはりそういったことも見据えた上で、しっかりとした検討をできるだけ、慎重かもしれませんけれども、スピードアップをして検討していく必要があるかと思います。

 

*国際社会の動向

次に、国際社会の動向という角度でお伺いいたします。

夫婦同氏を義務化している国は日本以外にどのような国があるのか、お伺いします。

 

○小野瀬政府参考人

お答えいたします。

法務省が把握している限りでは、現在、婚姻後に夫婦のいずれかの氏を選択しなければならない夫婦同氏制を採用している国は、我が国以外にはございません

 

○國重委員

先ほど、成年年齢の引下げは国際社会のスタンダードに合わせるということでしたけれども、選択的夫婦別氏制度については国際社会のスタンダードからは外れております。もっとも、日本は日本独特の夫婦同氏制度の歴史また文化があるからそれはそれで構わないんだと考える方もいらっしゃるかと思います。

 

*日本の氏の歴史

そこで、夫婦同氏制度について、どのような歴史があるのかを確認したいと思います。

夫婦同氏制度が導入されたのはいつでしょうか。

 

○小野瀬政府参考人

お答えいたします。

我が国におきまして夫婦が同じ氏を称するという夫婦同氏制度が導入されましたのは、明治三十一年に施行されました民法においてでございます。

 

○國重委員

明治三十一年、西暦でいいますと一八九八年、ちょうど百二十年前のことであります。

明治以前、氏は血統を示すものとされておりまして、古来より、女性が結婚して夫の家に入ったとしても夫婦は別氏になっておりました。例えば、源頼朝の妻は北条政子、足利義政の妻は日野富子、江戸時代も同様の慣行がありました。

それでは、明治以前、武士など一部の特権階級以外の、例えば町民や農民の氏はどのように取り扱われていたのか、お伺いいたします。

 

○小野瀬政府参考人

お答えいたします。

平民に氏の使用が許されましたのは明治三年の太政官布告によるものでございまして、それ以前の江戸時代におきましては、一般に、農民、町民には氏の使用は許されていなかったものと承知しております。

 

○國重委員

では、夫婦同氏制度が日本社会に根づいたのは百二十年前日本の歴史を考えたときに、別氏制度に比較をして、この同氏制度はそれほど長く続いてきたわけではありません。日本古来の伝統ではありません。ちなみに、成年年齢の二十歳、今回十八歳に引き下げる閣議決定をされましたけれども、この二十歳というのは約百四十年続いております。同氏制度よりも長く続いているというものがございます。基本的なことですけれども、改めて押さえておきたいと思います。

 

*選択的夫婦別氏制度の影響―①家族の一体感

ところで、政府は、旧姓の通称使用の拡大に向けて今取り組んでおります。この旧姓の通称使用は広く認める一方で、選択的夫婦別氏制度は、家族の解体につながる、家族のきずな、家族の一体性が損なわれる、だから反対だという御意見もあります。

そこで確認をいたします。

選択的夫婦別氏制度は家族の一体感に影響を及ぼすかどうか、昨年十二月の内閣府の世論調査で、夫婦、親子の氏が違うと夫婦を中心とする家族の一体感、きずなに何か影響が出るかどうかについてどのような調査結果が出ているのか、お伺いいたします。

 

○小野瀬政府参考人

お答えいたします。

平成二十九年十二月に内閣府が実施いたしました家族の法制に関する世論調査におきましては、「夫婦・親子の名字(姓)が違うと、夫婦を中心とする家族の一体感(きずな)に何か影響が出てくると思いますか。」という質問につきまして、「家族の名字(姓)が違うと、家族の一体感(きずな)が弱まると思う」と答えた者の割合が三一・五%、「家族の名字(姓)が違っても、家族の一体感(きずな)には影響がないと思う」と答えた者の割合が六四・三%であるという結果が出ているものと承知しております。

 

○國重委員

家族の一体感に影響がないと思うという意見が、弱まると思うという意見の倍以上になっております。

旧姓の通称使用は、今後、日本社会にますます浸透してくるものと思われます。そして、この旧姓の通称使用というのは、職場などだけではなくて、例えば、職場の友人が自宅にやってきて、奥さんが旧姓の通称使用をしている場合にその奥さんのことを旧姓で呼んだ場合には、これは家庭にも徐々に浸透してくることになります。現に、私の身近にもそういう家庭もございます。このようなことが進んでくれば、夫婦間で氏の呼び名が違っても違和感が薄れていって、別氏であることによって家族の一体感が損なわれると感じる割合はますます減ってくることとなると私は思います。

家族のきずな、家族の一体感、これは法律で氏を統一することによって実現できるものなんかではなくて、やはり本質的には愛情とか思いやりとかねぎらいといった、こういったものが家族の間に脈打っているかどうか、これによって決まってくるものだと思います。

 

その上で、旧姓の通称使用がどれだけ浸透し、呼称では、呼び方では別氏になっていようとも、家族の解体をさせないために、やはり日本独特の戸籍というのは重要で、ここで家族の一体を示す何らかの担保をとっておく必要があるという御意見もあるかと思います。

そこで、戸籍編製基準夫婦及び親子の単位家族の単位は維持したまま、この戸籍の家族単位はゆるがせにせずに、別氏も同籍とすることを認める、このようにした場合には、戸籍上、家族の解体につながらないと言えるのではないか。

法制審議会で、選択的夫婦別氏制度の導入について議論されていた際、戸籍の記載について民事行政審議会で議論されていたと聞いておりますけれども、どのような検討がされていたのか、お伺いいたします。

 

○小野瀬政府参考人

お答えいたします。

委員御指摘のとおり、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして、平成八年に法制審議会から答申を得た際に、同じく法務大臣の民事行政分野に関する諮問機関であります民事行政審議会において、別氏を選択した夫婦の戸籍上の取扱いについて検討が行われております。

その結果、民事行政審議会におきましては別氏を選択した夫婦につきましては、戸籍の筆頭者欄のほかに、夫及び妻の名欄には夫婦それぞれの氏を記載し、子の名欄には戸籍の筆頭者の氏を記載し、子の父母欄には父母のそれぞれの氏を記載するという方法が考えられ、その旨の答申がなされたものでございます。

 

○國重委員

資料二をごらんください。

これが、今民事局長から答弁のありました民事行政審議会において答申された、別氏を選択した場合の別氏夫婦の戸籍例でございます。これを具体化した例がこの資料二であります。

一方、現行の戸籍例として資料三を御用意いたしました。

この資料三、これが現行の戸籍の記載例になりますけれども、現行の戸籍例では、戸籍の筆頭者欄に、これは例ですけれども、甲野義太郎と氏名を記載して、夫、妻、子の名欄にはそれぞれ、義太郎、また、梅子、啓太郎と、名前だけを記載しております。

これが、別氏夫婦の戸籍例を示した資料二では、戸籍の筆頭者欄に甲野義太郎、また、夫の氏名欄に甲野義太郎、妻の氏名欄に乙野梅子、子の氏名欄に甲野啓太郎と、筆頭者と同じ甲野の氏が記載されております。

このように、別氏制度の戸籍の場合であったとしても、夫婦及び親子の単位、家族の単位は同一戸籍として維持をする、その上で、名欄を氏名欄として、夫、妻、子の氏名欄にそれぞれの氏も記載する、こういったことが民事行政審議会の答申で示された、このことも押さえておきたい。また、当委員会の皆様にぜひ知っていただきたいと思います。

 

*選択的夫婦別氏制度の影響―②子どもへの影響

次に、選択的夫婦別氏制度に反対する方の大きな理由が、親子の一方と氏が違うことによって、子の福祉に悪影響を及ぼすのではないかということであります。

平成二十九年の内閣府の世論調査では、子供に好ましくない影響があると思うと答えた方が六二・六%子供に影響はないと思うと答えた方が三二・四%となっております。

では、この好ましくない影響というのは一体何なのか、実際に影響があるのかないのか。この質問に関して、深掘りをして調査検討していく必要があると考えますが、上川法務大臣の見解をお伺いいたします。

 

○上川国務大臣

さきの世論調査におきましての、子供に対しての影響の有無についての世論調査の結果ということで、委員から御紹介をいただきました。

この子供への影響の有無やその内容、程度などにつきましては、選択的夫婦別氏制度の導入の是非を検討するに当たりまして重要な視点の一つというふうに考えます。

夫婦が異なる氏を名乗る制度に改めた場合に子供にどのような影響が生じ得るかという点につきましては、その性質上、なかなか検証することが難しい面があるというふうに思いますが、御指摘の点も踏まえまして、その調査や分析の方法も含めまして考えてまいりたいというふうに思っております。

 

○國重委員

ぜひ、しっかりとした検討をよろしくお願いいたします。

それぞれのアイデンティティー、またこれまでのキャリア、あるいは後継ぎ問題といった観点、さまざまな理由で、やむを得ず事実婚を選ぶ人はいます。また、これからの子供たちに、先ほど言ったような中性的な名前がふえているこの中で、同姓同名になるから法律婚をやめておこうか、こういったことで悩ませる、苦しませる制度というのは、私はよくないと思います。

同氏制度に一定の合理性があることは、私は否定しませんけれども、その一律義務化というのはやはり不合理だと思います。子供たちの将来を考えた上でも、選択的夫婦別氏制度の導入というのはやはり不可避なんじゃなかろうかと思います。

選択的夫婦別氏制度を導入すると、親の一方と氏が違うことになるので、子供に何らかの影響がある、好ましくない影響があると思うという世論調査でありました。また、いじめられるといった意見もございます。

しかし、これは、少しでも異質だと思うと排除したり攻撃したりしようとするこの社会の風土に問題があるのであって、いじめられるから別氏がいけないということ、これを突き詰めますと、全てが横並び、同質でなければいけないということになります。これでは個性は殺され、社会は発展しません。こんな社会がいい社会だとは、私は思いません。それぞれの個性を、差異を尊重する、認め合う、一人の人を大切にする、教育でこういった人権感覚を教えていく、政治では人権を尊重していく、こういったことが大切になるんだろうと思います。

 

*選択的夫婦別氏制度の影響―③諸外国の例の研究

ところで、先ほど日本以外に夫婦同氏を義務化している国を法務省としては把握していないということでありましたが、夫婦同氏制度から夫婦別氏を認める制度に変えた国が多くございます。

私は、早晩、繰り返しになりますけれども、選択的夫婦別氏制度というのは導入せざるを得ないと思っておりますが、それらの国々が制度を導入した際、世論の動向はどうだったのか、導入の進め方はいかなるものだったのか、導入後に社会にどのような変化が生じたのか、仮に問題が生じたのであれば、それはどのようなものだったのか。こういったことについて研究を進め、この研究を深めていくべきだと考えますが、上川法務大臣の見解をお伺いいたします。

 

○上川国務大臣

御指摘いただきました夫婦同氏制度から選択的夫婦別氏制度に改めた国もあるものというふうに承知をしております。

諸外国におきまして選択的夫婦別氏制度の導入時の議論、あるいは導入後の影響の内容、程度などの調査につきましては、我が国において選択的夫婦別氏制度の導入の当否を検討するに当たりまして参考になるものというふうに考えます。

そのため、御指摘がございました、諸外国において制度導入時の議論などを的確に把握するために、どのような調査が必要なのかにつきましては、検討をし、前向きに対応してまいりたいと思っております。

 

○國重委員

大臣、ぜひよろしくお願いいたします。これは必ずやらないといけないことだと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。

 

▸旧姓の通称使用の拡大

*選択的夫婦別姓の議論との両立

その上で、選択的夫婦別氏のこの議論と同時に、婚姻後も旧姓を通称として使用できる範囲の拡大もまた、私は大切な点だと思っております。これは、選択的夫婦別氏制度と両立しないものではありませんし、この選択的別氏制度を否定したり、これで別氏制度の議論を停滞させるというものでもないと思っております。

旧姓の通称使用を拡大したとしても、それとは別途、選択的夫婦別氏制度の議論はしっかりと進める必要があると考えますが、上川法務大臣の見解をお伺いいたします。

 

○上川国務大臣

これまで政府におきまして、今日の社会におきましての女性の活躍や社会の多様化等も踏まえまして、旧姓使用の拡大に向けた取組を進めてきたところでございます。引き続き、この旧姓使用の拡大につきましては、国あるいは地方あるいは企業などが、それぞれの部門におきまして、旧姓の通称使用拡大のための措置を適切に講じていく必要があるものというふうに考えております。

もっとも、御指摘のとおり、旧姓の通称使用を拡大することによって、先ほど来の御質問がございました論点等につきまして、問題が解消されるというわけではございません。婚姻に伴う氏の変更によって不利益の全てが解消をされるというものではないというふうに考えているところでございます。

したがいまして、選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、旧姓の通称使用が拡大しても、なお議論の対象となり得るものというふうに考えているところでございます。

 

○國重委員

どうかよろしくお願いいたします。

選択的夫婦別氏制度というのは、選択肢の拡大ということもポイントであります。旧姓の通称使用の拡大も、より選択肢をふやすという意味で大事であります。実際、戸籍上は配偶者の氏にする一方で、仕事上では旧姓を通称として使用し続けたい、こういった声もあります。また、婚姻後も、場面場面で旧姓をより使用しやすくすることは、選択的夫婦別氏制度を導入するに当たっての土壌の整備にもなると私は考えております。

 

*住民票・マイナンバーへの旧姓併記

この点、現在、総務省は、マイナンバーカード、住民票への旧姓併記が可能となるように、既存の住基システム等の改修を行っていると聞いております。この進捗状況はどうか、お伺いいたします。

 

○篠原政府参考人

お答えいたします。

住民票やマイナンバーカード等への旧氏併記につきましては、平成二十八年五月の閣議決定等におきまして、マイナンバーカード等に旧氏併記が可能となるように、速やかに必要な準備を進めるべきであるとされたことに基づきまして、取組を進めております。

この旧氏併記を実現させるためには、全国千七百四十一市区町村の既存住基システムなどの改修が必要でありますことから、必要な予算を確保したところです。現在、各市区町村などにおいて改修が進められているところであります。

 

○國重委員

今システム改修を進めているということでありますが、システム改修が完成するのは、平成三十年度になるのか、また、それとも三十一年度なのか、まだわかりませんけれども、そう遠くない将来のことだと私は認識しております。旧姓を公的に証明できるようになれば、旧姓使用における不便が一定程度解消されるようになります。そういった意味で、今回のマイナンバーへの旧姓併記の推進は評価しております。

一方で、身分証明書類として、ふだんマイナンバーカードを提示している人は一体どの程度いるのか、これが問題になってまいります。

総務省に伺います。現在のマイナンバーカードの交付枚数はどの程度でしょうか。

 

○篠原政府参考人

お答えいたします。

マイナンバーカードにつきましては、現在、毎日約一万五千枚が申請されておりまして、交付開始から二年程度で既に約千三百八十万枚、人口の一割以上の方に交付されているところでございます。

 

○國重委員

マイナンバーカード、今後の普及に期待したいと思いますけれども、まだ普及は道半ばであります。

 

*運転免許証への旧姓併記

では、一般的によく使用されている身分証明書といえば写真つきの運転免許証であります。この運転免許証の現在の保有者数はどの程度か、警察庁に伺います。

 

○長谷川政府参考人

お答え申し上げます。

平成二十八年末現在の運転免許保有者数は、八千二百二十万五千九百十一人となってございます。

 

○國重委員

マイナンバーの普及枚数は、交付開始から二年程度で、ちょっと先ほど聞き取りができませんでしたが、大体約千三百七十万枚ですかね。はい、うなずいていただきました。一方、今の答弁によりますと、運転免許証を持っている方はおよそ八千二百万人ということになります。運転免許証が圧倒的に普及しており、その意味でも、身分証明書として国民が一般的に利用するものとなっております。

この運転免許証への旧姓併記が可能となれば、社会のさまざまな場面でより簡単に旧姓を公的に証明できるようになって、旧姓の通称使用が一気に、より一層進むことになると思います。そして、道路交通法施行規則によって、運転免許の申請の際には原則として住民票の添付が義務づけられております。それをもって氏名の確認をしております。そうであれば、住民票への旧姓併記が可能となったタイミングで運転免許証への旧姓併記も可能となるような体制を整えるというのが、私は論理的で合理的だと思います。

住民票の旧姓併記が可能となった時点で運転免許証の旧姓併記もできるようにすべきと考えますが、警察庁の見解をお伺いいたします。

 

○長谷川政府参考人

お答え申し上げます。

委員御指摘の点に関しましては、女性活躍の視点に立ってさまざまな制度等を整備することは重要であるものと認識しているところでございます。

お尋ねの運転免許証につきましては、現在旧姓併記を行っておりませんが、住民基本台帳等への旧姓併記に向けた準備が進められているものと認識しておりまして、こうした動きに合わせまして、免許証への旧姓併記についても検討を進めてまいりたいと考えております。

 

○國重委員

ぜひ前向きな検討をお願いいたします。
以上で終わります。ありがとうございました。



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