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衆・法務委「テロ等準備罪」 公明は吉田議員が質問

衆議院法務委員会に出席しました。
テロ等準備罪の対政府質疑を行い、公明党からは吉田宣弘議員が質問に立ちました。

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↓ 以下、吉田宣弘議員質疑全文を掲載します。

○吉田(宣)委員
 おはようございます。公明党の吉田宣弘でございます。
 本日も、テロ等準備罪の質疑の機会を賜りましたこと、委員長そして理事の皆様、委員各位に心から感謝を申し上げたいと思います。
 先日、大変残念な発言で前復興大臣がおやめになられました。新しい吉野復興大臣には被災地の皆様に本当に心から寄り添って活躍していただきたいと思いますが、吉野大臣はこの法務委員会にも所属されておったということで、本当に大きな期待を持っているところでございます。
 私は、震災のことを少し思いながら今話を聞いておりました。私は生まれ故郷は熊本ですが、熊本も地震がありました。そのときに、東日本大震災のときもそうだったんですけれども、火事場泥棒が発生したわけですね。特に、福島の件では、あそこは立入禁止区域になってしまって警察が取り締まれない、警察すら入れないというような状況の中、それでも被災者の財産を狙って窃盗に行く人間がいたと承知しております。
 すなわち、これは窃盗の既遂とか未遂とかいうレベルではもうどうしようもない、予備でもどうしようもない、そういった状況なんだろうと思います。その意味においても、実行準備行為の段階で取り締まる本法律というのは意義があることだろうなと思いながら、先ほど少し、うっすらと考え事をしたりしておりました。
 被災者がただでさえ大変な思いをしているところに、その財物を狙って、恐らく組織的犯罪集団であれば狙いを定めてとりに行く、そういった悪いやつらはやはり早期に検挙しておかなければ被災者が二重の苦しみに遭うというふうなことを思いながら、委員会で先ほどまで少し考え事をしていたところでございます。
 済みません、前置きが長くなりましたけれども、質問に入らせていただきます。
 本法案に関する質疑等がこれまでなされてまいりましたけれども、かなり深みを持ってきたなということを率直に感じております。この法案については、条約との関係という側面、国内法整備という実体法としての側面、それから、この法律が成立して、それが運用される、執行される段階における手続法的な側面から、さまざま議論がなされたところだと承知をしております。
 まず最初に、そもそも論から少し入らせていただきたいと思います。
 テロ等準備罪、これはTOC条約の国内整備法としての必要性というところが認められているところでございますけれども、TOC条約に参加するためには、参加罪というものを国内法で整備しなさいということなのか、また合意罪というものを国内法で整備しなさいということなのか、どちらかを選択していいですよというたてつけになっているかと思います。
 そもそも論で恐縮ですけれども、本委員会でまだ触れられていないようなので、この点、なぜ参加罪というものの法整備でなかったのか、法務省に確認をしたいと思います。

○林政府参考人
 TOC条約の五条で、参加罪あるいは組織的な犯罪、重大な犯罪の合意のいずれか一方あるいは双方の犯罪化を締約国に義務づけているわけでございますが、この中で、お尋ねの参加罪につきましては、その内容は、参加者が組織的な犯罪集団の活動、犯罪活動に積極的に参加する行為だけでなく、組織的な犯罪集団のその他の活動に積極的に参加する行為、こういったことについても犯罪化することを義務づけることになります。特に後者のような、特定の犯罪行為と結びつかないような行為を犯罪化することとなりますと、これは我が国の法制になじまないと考えられたところでございます。
 他方で、合意罪の方につきましては、これについては特定の犯罪の実行を合意することの犯罪化を義務づけておりますけれども、我が国では既に一定の犯罪については実行の着手前の共謀または陰謀が独立の犯罪とされていたこと、こういったことから現行法制との親和性も認められると考えられました。
 こういったことから、参加罪については我が国での導入というものがなじまないと判断したわけでございます。

○吉田(宣)委員
 お手元に資料をお配りさせていただきました。参加罪は日本の国内法秩序上はなかなかなじまないということでございますけれども、参加罪をいわゆる採用している国が二十七カ国あります。一方で、合意罪というものを採用している国が二十一カ国となっている。両方を採用している国もあったりするわけですけれども、日本の国内法としてはなじまないことから参加罪が選択されなかったということでございます。非常に賢明な判断であったろうと思います。
 私も、この参加罪というあり方は国内法的にはやはりなじまないし、恐らく参加罪であればそれだけ人権制約の度合いも強いのであろうという理解をしております。
 その上で、合意罪を採用している二十一カ国中、条約のオプションとして認められている準備行為を要求し、なおかつ犯罪主体を組織的犯罪集団に限定している国は何カ国ぐらいあるのか、教えていただければと思います。

○飯島政府参考人
 お答えいたします。
 我が国からOECDに加盟している三十四カ国に対して照会を行い、重大な犯罪の合意罪の犯罪化を実施していると回答した二十一カ国のうち、御指摘の、合意の内容を推進するための行為を伴うもの及び組織的な犯罪集団が関与するものという双方のオプションを選択している旨を国連に対して通報している国はないものと承知しております。

○吉田(宣)委員
 ないということですね。
 いわゆる犯罪主体を限定し、準備行為を要求している合意罪のたてつけにしている国は、今テロ等準備罪が審議中ですけれども、もしこの法律が成立すれば、それはOECD諸国の中で日本だけということになるのでしょうか。済みません、重ねてですが、その点を確認させてください。

○飯島政府参考人
 お答え申し上げます。御指摘のとおりでございます。

○吉田(宣)委員
 OECD諸国の中で準備行為と組織的犯罪集団というような限定を加えている国はないということですが、オプションとして準備行為を付加すること及び主体を限定すること、それは犯罪の範囲を狭めていることになります。したがって、他の国と比べれば、それだけテロ等準備罪というのは、恐らく、謙抑的、抑制的、人権にできる限り配慮した法律のたてつけになっているのだろうというふうな理解をしたいと思います。
 このように非常に抑制的なたてつけをしている法律であろうと思いますけれども、いまだに、思想、良心の自由というものを侵害する違憲立法であるというような御意見も聞かれるところでございます。先日お越しくださった参考人のお一人の方も、そのような趣旨のことをおっしゃっておったようでございます。
 では、金田大臣、これは憲法にかかわる大切なことなので御答弁いただきたいんですけれども、この法律、テロ等準備罪は思想、良心を処罰の対象とするものなのでしょうか。お聞かせいただければと思います。

○金田国務大臣
 お答えをいたします。
 テロ等準備罪におきましては、犯罪遂行の計画行為及びこれに基づく実行準備行為という行為を処罰するものでありまして、人の内心や思想、良心を処罰するものではありません。
 かつての組織的な犯罪の共謀罪におきましては、国会審議等において、内心が処罰されることとなるなどの不安や懸念が示されたわけであります。この指摘を重く受けとめて真摯に検討を重ねた結果、今回提出いたしました法案のテロ等準備罪におきましては、犯罪の計画行為に加えて実行準備行為があって初めて処罰の対象とするということによりまして、人の内心や思想、良心を処罰するものではないことについても一層明確にするとともに、処罰範囲も限定したものであります。
 このように、テロ等準備罪は、人の内心や思想、良心を処罰するものでないことは明らかでありまして、国民の不安や懸念を払拭できる内容になっているものと考えております。

○吉田(宣)委員
 大変に明快な御説明であったかと私は承知をしております。
 では、この点を少し一歩進めさせていただいて、先ほど申し上げました参考人の方のお話の中で、これは共産党の藤野先生が少し触れられた事例なんですけれども、花見か下見かというふうなお話があったかと思います。花見か下見かというものは外形からはわからない、したがって、心の中で何を思っているのか、内心を処罰するものである、違憲の可能性があるといった趣旨の御意見があったかというふうに私は記憶をしております。
 でも、現行法上、刑法百四十八条の一項に規定されている通貨偽造罪、構成要件を少し省略して読ませていただくと、行使の目的で通用する通貨、紙幣を偽造した者は三年以上の懲役に処するという規定がされております。すなわち、行使の目的という目的犯でありますが、通貨を偽造している外形からは行使の目的があるのかどうかはわかりません。
 としますれば、先日の参考人の御意見をこのまま通貨偽造罪に当てはめれば、通貨偽造というのは行使の目的があるかどうかは外形的にはわからない、したがって、その偽造者というものは内心を処罰されるものであって、違憲の可能性があるということになろうかと思うわけですけれども、私は法律家ではございませんので詳細はわかりませんが、通貨偽造罪が違憲立法であるというような理論や学説やそういった御主張には私は触れたことがございません。
 もし皆様の中にそういった主張の方がいらっしゃるのであればぜひお聞かせいただきたいのですけれども、先日の参考人の方の御意見をそのまま当てはめれば、通貨偽造罪は憲法違反ということになってしまおうかと思います。
 そこで、花見か下見かについて、これは実行準備行為にかかわる話でありまして、本委員会でも明らかになってきているところでございますが、この実行準備行為はいわゆる計画と切り離されて評価されるべきものではないと承知をしております。花見か下見かは、確かに行為の目的として行為者の主観にかかわるものであって、この主観を内心と表現することも日本語の使い方として間違ってはいないのであろうと思いますが、法的判断というのはそういうことではなかろうというふうに思っております。
 そこで、刑事局長にお聞きをしたいのですけれども、花見か下見かの事例で、花見目的で歩いている行為、実行準備行為に該当するような下見目的として歩いている行為のいずれかに該当するのは、行為者の主観とかいうものではなくて、私は客観的に判断されなければならないものであろうと考えておるのですけれども、刑事局長から御答弁をいただければと思います。

○林政府参考人
 テロ等準備罪における実行準備行為というものについては、一つに、計画とは別の行為であって、二つには、計画に基づいて行われる、そして三つには、その計画をした犯罪を実行するためという、この準備行為というものを言っておるわけでございます。そういった定義から、実行準備行為に当たるかどうかというのは、個別具体的な事実関係、特に計画において合意されている内容に照らして判断されるべきものと考えます。
 その際に、例えば、その行為の目的などについて捜査が行われることはあり得るところだと思います。委員も御指摘になられましたいわゆる目的犯の目的など、現行の刑事罰則におきましても行為者の主観が構成要件の一部となっている場合といったものがございますが、その場合と同様に、実行準備行為の認定に当たっては、客観的な証拠や供述の裏づけ証拠の有無、内容といったものを重視した上で、主観というものについて、特に行為の目的などについての捜査も当然あり得るものと考えます。行為者が主観すること自体、現行法制との比較において、それ自体に問題があるわけでは全くないと考えております。
 その上で、花見か下見かというような御指摘の場合におきましても、まずは計画との関係で、当該行為が計画に基づくと認められるかどうか、こういった点がまず問題になります。
 その点の判断に加えまして、例えば当該行為をしている者が持っている携帯品でありますとか、あるいは当該行為をしている際の状況などの外形的な事情から、花見目的なのか、犯行場所の下見目的なのかといったことが当然区別され得て、その点についての捜査を尽くすということになろうかと思います。
 一般論を申し上げれば、もし、外形的に下見目的であったこと、こういったことが証拠上明らかにならなければ、これが実行準備行為とは認められないと考えられるわけでございます。

○吉田(宣)委員
 刑事局長、ありがとうございます。極めて明快なお話であったろうと思っております。
 次に、計画と準備行為の関係について質問したいのですけれども、我が党の國重理事の質問において、実行準備行為は処罰要件ではなくて構成要件であるということが明らかになったところでございます。
 では、質問の前提として、刑罰法規における構成要件の機能について、刑事局長からまずお話をお聞かせいただければと思います。

○林政府参考人
 構成要件は、犯罪として法律上規定された行為の類型でございます。いかなる行為が犯罪とされ、いかなる刑罰が科せられるかがあらかじめ国民の代表者である議会の制定した法律において明確に定められていなければならないという意味におきまして、国民を国家の恣意的な刑罰権の行使から保護し、国民の行動の自由を保障する、こういった機能を有すると考えられております。
 すなわち、法律により構成要件を明確に規定することによりまして、当該構成要件に該当する行為の類型以外の行為については、これを国民が行ったとしても処罰されることはなく自由に行動ができるといった点で、国民の行動の自由を保障する機能があると考えられております。

○吉田(宣)委員
 私も大学の時代に刑法を学びまして、構成要件の機能として、今局長からお話があったような、法益を保護するということ、及び、極めて重要なのは、国民が自由に活動する範囲というものを明確にして、これをやらなければ処罰されることはないんですよといういわゆる自由保障機能、こういう二つの機能を担っていると。
 この構成要件の機能、法益保護機能の観点から、この法律をつくることそのものが実はテロ等準備罪で法益保護を図ることであろうと私は思っております。すなわち、これまで罪ではなかった範囲について、これを罪とすることによって、国民の自由であったり、財産であったり、社会の平穏であったり、また国家の秩序であったり、そういったものを保護する機能が果たされる。
 一方で、国民の自由は十分保障されなければならないわけであって、そういった点から、この自由保障機能というものも決して忘れてはならない大切な機能であると私は理解をしております。
 そこで、計画と実行準備行為とは明確に区別ができるものであろうかと。例えば、計画を立てるために下見をしたというような下見行為は準備行為なのか。区別できなければ、今局長から説明があった自由保障機能が著しく害されるんだろうと思いますが、刑事局長からお話をいただければと思います。

○林政府参考人
 実行準備行為とは、計画とは別の行為であって、計画に基づき行われる犯罪を実行するための準備行為をいうわけでございます。このように、実行準備行為とは計画に基づき行われるものであるというものが法律上明確になっておりますので、計画が成立していない段階の行為が実行準備行為に該当すると認められることはございません。
 したがいまして、計画が成立したとは言えないような段階で仮に下見行為を行ったといたしましても、その下見自体は実行準備行為とは認められないということになります。

○吉田(宣)委員
 計画に基づいて行われる準備行為であるということが犯罪の成立要件であって、この点は構成要件上明確であろうというふうに思っております。
 これまで見た限りでございますけれども、本法律というのは、条約との関係で、まず参加罪をとらなかった、合意罪を採用した、しかも合意罪については準備行為を付加した、加えて主体も組織的犯罪集団に限定している。他国では例がないぐらい厳しいたてつけになっている。
 そしてまた、実体法としても、先日参考人で井田先生にお越しいただきましたけれども、井田先生の評価と申しますか、いわゆる三重の限定で濫用が防がれていると。すなわち、先ほど申し上げたように処罰というものを、これまで犯罪じゃなかった部分も処罰化する、これは早い段階で処罰するということでございますが、処罰の早期化をいかに多面的に侵食しないように範囲を限定していくかが大切であって、今回の法案は三重の限定をかけてしっかり濫用の防止等々を図ることができているというふうな評価もいただいているところでございます。
 加えて、構成要件の明確性という観点からも、先日の法務委員会において藤原先生から、裁判所で要求する程度に構成要件も明確になっているということも明らかになったところでございます。
 したがって、私は、この法案については、実に謙抑的で抑制的なたてつけになっている、徹底的にそれがなされているというように理解をしているところでございます。
 ただし、この実体法がいかに謙抑的で抑制的なたてつけになっている、それだけ国民の自由保障機能にも厚く配慮した規定になっているとしても、法運用の段階で濫用を許してしまえば、実は、これまでの政府の努力であったり、手続法たる刑事訴訟法などの規定とは離れて実体法として審議している我々の審議の努力というのは水泡に帰してしまうと言っても過言でなかろうと私は思います。
 話は多少変わりますけれども、昨今、警察の姿勢には若干問題があるのではないかなと私は思っております。
 例えば、車両取りつけ型のGPS捜査、これは最高裁によって強制処分であると断じられたところでございます。警察はこれまでの運用でこれを任意捜査というようにやってきたということですが、残念ながら最高裁は、そういう性質のものではなくて、これは強制処分なんだというふうな判断をしたところでございます。
 この点、やはり最高裁の判決というのは重く重く受けとめなければならないわけでございますが、警察においてこの判決を受けてどのような改善策をとられたのか、確認させてください。

○髙木政府参考人
 御指摘の判決は、広域にわたる連続侵入窃盗事件において、被告人を含む犯人グループが夜間に車で高速度で広域移動するなどして尾行が困難であったため、ひそかにGPS端末を被告人らの使用車両に取りつけて、その位置情報を取得した事案に関するものでございます。
 こうしたいわゆるGPS捜査につきましては、これまで警察において任意処分として実施可能と解釈して運用してきたところ、任意処分の範囲内にとどまるか否かについては裁判所の判断が分かれていたものでございます。
 警察庁といたしましては、最高裁判所におきまして当該GPS捜査が強制処分に該当する旨の判断が示されたことを真摯に受けとめ、即日、都道府県警察に対して通達を発出し、こうした捜査を控えるよう指示したところでございます。
 今後の対応につきましては、判決の趣旨を踏まえ、関係省庁とも必要な連携を図りながら、適切に検討してまいりたいと考えております。

○吉田(宣)委員
 よろしくお願いします。
 ただ、それ以外にも、例えば監視カメラが問題になった事案もございました。冤罪が複数回発生した県警もございます。また、あろうことか、証拠を偽造した警察官がいた場所もあります。残念なことですが、いずれも九州の話でございまして、私は、警察は違法捜査などもってのほかである、国民を守ることが警察の責務であるということ、そういった使命感というものを高潔な心で日々養っていただきたいなと思います。
 その上で、テロ等準備罪に戻りましてお聞きしたいのは、組織的犯罪集団や計画を探知するためには現行の捜査手法では不十分であるから、本法律の成立をきっかけに新たな捜査手法が導入されて、国民の人権が不当に侵害をされるのではないかという御心配の声があるようでございます。
 この点、非常に大切な点なので金田大臣に御答弁いただきたいのですけれども、お聞きしたいのは、テロ等準備罪の捜査がどのように行われるのか、御答弁を願えればと思います。

○金田国務大臣
 吉田委員の御質問にお答えをいたします。
 テロ等準備罪につきましても、現在行われている他の犯罪と同様の方法で、刑事訴訟法の規定に従って必要かつ適正な捜査を行うことになります。
 また、テロ等準備罪の新設に伴って新たな捜査手法を導入するための法改正を行う予定はございません。 そして、現行法におきましても、ひそかに行われる謀議等に関する証拠の収集というものは必要かつ適正な捜査により行われているところでありまして、テロ等準備罪の捜査につきましても、他の犯罪と同様に、刑事訴訟法の規定に従いまして証拠物や供述の確保が行われることとなります。

○吉田(宣)委員
 今の御答弁を受けて少し前に進ませていただきますけれども、テロ等準備罪が新設されることでメールやLINEが監視されるのではないかという御心配のお声があるとお聞きをいたしました。
 例えば、組織的殺人罪や薬物事犯というのは通信傍受法の適用対象でございます。かつ、これらの犯罪というのはテロ等準備罪の対象でもあります。そこで、端的にお聞きしたいと思います。テロ等準備罪の捜査に通信傍受が用いられることはあるのか、この点、刑事局長から御答弁をお願いしたいと思います。

○林政府参考人
 現行の通信傍受法では、通信傍受が許される範囲には非常に厳格な要件が定められております。そこに限定的に列挙された対象犯罪についての捜査でなければ通信傍受はできないわけでございます。テロ等準備罪はこの通信傍受の対象犯罪ではなく、したがいまして、その捜査として通信傍受を実施することはできません。また、テロ等準備罪を通信傍受の対象犯罪に追加する法改正については予定しておりません。

○吉田(宣)委員
 すなわち、この犯罪で通信傍受という捜査手法が行われることは現行法制度上ないということが一点と、これからそのような方向での法改正も行う予定はない、この二点が今のことで明確になったかと思います。
 我が国の警察に対するお気持ちというものを私なりにいろいろと推しはかって、次の質問を警察の方にさせていただきます。
 我が党の國重理事は、安倍総理に対する質問で、国民の懸念を真摯に受けとめ、違法捜査を防止し、捜査権が適正に運用されるよう一層のリーダーシップをとってほしいと訴えました。これに対し、総理は、成立後も国民に不安や懸念を抱かれることがないよう、捜査の適正確保にしっかり取り組むと答弁をされました。この総理の答弁を決して霧散させてはいけないというふうに私は思っております。
 この総理の答弁を受けて、法運用の具体的任を担う官僚としての受けとめを警察からお聞かせいただければと思います。

○髙木政府参考人
 警察庁といたしましては、捜査の適正確保に向けた取り組みを今後一層強化していかなければならないと受けとめております。
 具体的には、各都道府県警察の捜査幹部や捜査実務担当者を集めて開催する各種会議、警察庁の担当者が各都道府県警察に赴いて実施する巡回業務指導、警察大学校等における各級幹部や捜査実務担当者を対象とする各種教養等のさまざまな機会を捉えて、適正捜査の指導を継続的に徹底して行い、捜査の適正確保に努めてまいりたいと考えております。

○吉田(宣)委員
 しっかりやっていただきたいと思います。国民がしっかり警察を応援している、そういった環境づくりのためにも警察には真摯に取り組んでいただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 時間が間もなく参りますので、問いをあと二問残しておりますが、一問にくくらせていただいて、一問飛ばす形で、最後の質問に移らせていただきます。
 テロ等準備罪には自首減免規定というものが設けられております。この自首減免規定の法文を少し見てみますと、六条の二のただし書きに「実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。」というふうに書いてあります。一方で、今の現行刑法の中にも自首に関する規定がされております。少し読ませていただくと、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」というふうに記載されております。
 この二つの規定を比べてみると、違いがあることがわかります。刑法の規定によると、「減軽することができる。」というのは任意規定かとも思いますが、やらなくてもよいということなんだろうと思います。一方で、テロ等準備罪の自首規定は「刑を減軽し、又は免除する。」となっているわけですね。だから、減軽しなさい、場合によっては免除しなさいというようなたてつけになっているわけでございます。
 こういった法のたてつけから、テロ等準備罪においては自首したら免除されるという、これはかなり期待度が大きいものだと思うんですけれども、その結果、密告が推奨されたり、密告社会となっていく、また引っ張り込みなんかが行われて冤罪を生み出すのではないかという批判があるようでございます。これに対して、刑事局長から答弁を求めたいと思います。

○林政府参考人
 テロ等準備罪では自首による刑の減軽または免除は必要的なものとされておりますが、これは、自首を奨励してこういった重大な犯罪が実行されて甚大な被害が生ずることを未然に防止する、こういったことの必要性が高いという政策的な配慮に基づいて設けているものでございます。
 密告社会になるのではないかという点でございますが、テロ等準備罪の適用対象というのは、先ほど来申し上げているように組織的犯罪集団でございます。そして、テロ組織や暴力団組織による殺傷事犯の計画など、こういった組織的犯罪集団が関与する重大な犯罪の計画行為やその実行準備行為について、この自発的な申告を促すというものでございます。
 そういった意味で、国民の一般的な社会生活というものとは無関係でございまして、これによって密告社会になるといった批判は当たらないものと考えております。

○吉田(宣)委員
 時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。



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