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衆・法務委「テロ等準備罪」 公明は濵地議員が質問

衆議院法務委員会に出席しました。
テロ等準備罪の対政府質疑を行い、公明党からは濵地雅一議員が質問に立ちました。

>> [外部リンク]公明ニュース「一般人 捜査対象とせず」
>> [外部リンク]衆議院ホームページ「衆議院法務委員会ニュース」

↓ 以下、濵地雅一議員質疑全文を掲載します。

○濵地委員
 公明党の濵地雅一でございます。
 三十五分、質問の時間をいただきました。公明党としましては、國重理事の方がこのテロ等準備罪の要件をかなり細かく昨日も聞かれておりました。そこで、私としては、TOC条約、この条約との関係について党としても聞きたいというふうに思って質問を準備しておりますが、その前に、一昨日の質疑の中で、特に捜査との関係について私自身気になるところがございましたので、そこの確認から始めたいと思います。
 それは、一般人が処罰の対象にはならないけれども捜査の対象になるんだ、一般人は捜査の対象になるんだというような質疑がなされたというふうに私は記憶をしております。逢坂理事の御質問だったと思います。先ほど逢坂先生には議事録を引用しますというふうにお断りをして、少し引用させていただきます。
 ここであるのは、金田大臣が答えられているのは、嫌疑がなければその捜査が行われることはないということは何度も申し上げております、したがって、捜査が行われるときに嫌疑が存在するということでございますから、一般の方々にそれが及ぶという考え方ではないと思っておりますと。私もそれは正しいと思っていますが、それに続けて、委員の方は、大臣、御自身の発言を冷静に整理していただきたいんですが、テロ等準備罪の嫌疑、我々の言うところの共謀罪の嫌疑が出る、嫌疑が発生する、嫌疑が発生して初めて、当該団体が組織的犯罪集団であるか否か、この捜査が始まる、嫌疑が生じていない段階では捜査はしないと林刑事局長は明言している、嫌疑が発生して初めて組織的犯罪集団であるか否かを捜査するんですよ、大臣の話によれば、組織的犯罪集団にかかわりのない人が一般の人々なんですよ、一般の人々を捜査しなければ、その当該団体が組織的犯罪集団であるかどうかわからないということじゃないですかというふうに言われているんです。
 また、ほかにも、テロ等準備罪の嫌疑が生ずる、生じた段階で初めて、先ほどの林刑事局長の答弁によれば、組織的犯罪集団になるか否かを判断するために捜査をするわけでありますとありますので、ちょっと御本人に聞いてみないとわからないんですが、これは恐らく、私の考えでは、いわゆる計画があって、実行準備行為の嫌疑があって、そこから、いわゆる共謀罪と言われていますが、その嫌疑が発生して、それから組織的犯罪集団になるかを判断していくわけだからという、そういったことを言われていると思っているんです。
 しかし、大臣がおっしゃったとおり、テロ等準備が成立するためには、まず、組織的犯罪集団という主体も構成要件の一つでございます。その主体が計画を行い、その計画に基づいて準備行為を行うわけでございますので、捜査を始める段階、特に任意捜査を始める段階でも、組織的犯罪集団の嫌疑が既に生じていなければ捜査はできないので、そういった意味では、大臣がおっしゃった、一般人が対象に捜査でもなることはないということが私は正しいと思っておりますが、その点について、林刑事局長に改めて確認をしたいと思っております。

○林政府参考人
 捜査につきましては、犯罪の嫌疑がある場合に開始される、この点はテロ等準備罪について同様でございます。したがいまして、このテロ等準備罪についても、他の犯罪の捜査と同様に、犯罪の嫌疑がなければ捜査が行われることはないわけでございます。
 そして、テロ等準備罪は、委員の御指摘にもございましたように、法律の明文により厳格な要件が定められております。一つに、まず、対象となる団体、これが組織的犯罪集団に限定されていることでございます。そしてそれについて、一定の重大な犯罪を遂行することが計画され、さらに実行準備行為が行われる、この場合に犯罪が成立するものでございます。
 したがいまして、テロ等準備罪の嫌疑があると認められるためには、組織的犯罪集団が関与しているということを含むこれら要件についての嫌疑が必要になってまいります。
 そして、こうした組織的犯罪集団と言えますのは、国内犯罪情勢に照らせば、テロリズム集団でありますとか暴力団など、違法行為を目的としている団体というものに限られるわけでございますが、そのような組織的犯罪集団が関与していることについての嫌疑というものがなければ、テロ等準備罪について捜査が行われることはないわけでございます。
 そして、通常の社会生活を送っている一般の方々が、そうした組織的犯罪集団に関与することも、また関与していると疑われることも考えられないわけでございまして、一般の方々にテロ等準備罪の嫌疑が生じるということはなく、一般の方々がテロ等準備罪の捜査の対象になるということはないものと考えておるわけでございます。
 他方、今述べましたテロ等準備罪の厳格な要件について、これがある場合には、嫌疑があるという場合については、その人物に対しては捜査の対象となるわけでございますが、そうした捜査機関としては、そのような人物に対してはもちろん適切な捜査を行って、その事案の真相を明らかにしていくという責務があろうかと思います。

○濵地委員
 ありがとうございます。
 明確に、任意捜査の段階においても一般人が捜査の対象にはならないというふうに、林刑事局長はお答えいただきました。
 ですので、大臣がおっしゃっているように、組織的犯罪集団とかかわりない人が捜査の対象にないとおっしゃっていることは、私はこれは正確だろうというふうに思っております。ぜひ、これを間違って報道しないようにしていただきたいというふうに、そういう意味で確認をさせていただきました。
 刑事局長に聞きましたので、もう一問質問をさせていただきます。
 いわゆる組織的犯罪集団に当たるであるとか、また、我々の國重理事が説明しました計画に基づいた実行準備行為、これが、例えば計画から途中で抜けた場合はどうなるのか、計画の離脱というような非常に細かいお話もされておりました。
 これは、ただ、全て、この組織的犯罪集団等々のものは、客観的な構成要件の面をこれまで、今まで皆さん聞かれていたと思っています。では、私は、主観的な構成要件、いわゆる故意、認識の面についてお聞きをしたいと思います。
 わかりやすく行うために、ちょっと例え話をします。私が例えば会社の末端というか平社員であったとします。ほかの同じ平社員から、同僚から殺人を計画されて、それを持ちかけられて、日にち、場所も決めて、おまえはナイフを買ってこいと言われて、私はわかったと言ってナイフを買うということがあったとします。では、それだけで故意の認識の対象は足りるのか。
 例えば、それが、会社という組織が犯罪を反復継続して行うような団体であること、また、会社全体の活動として、社長以下指揮命令系統があって、自分がこの殺人の計画のナイフを用意するということはどういう役目なのかということまでも認識を故意としてする必要があるのか。
 私は、そこまで必要となると、これは故意の面でもかなり限定されて、なかなか犯罪は成立しにくくなるというふうにも思うわけでございますが、故意の認識の対象について、林刑事局長にお聞きします。

○林政府参考人
 一般に故意というものは、構成要件に該当する客観的な事実について必要であるとされております。
 そして、テロ等準備罪の構成要件は、組織的犯罪集団の団体の活動として、一定の重大な犯罪を実行するための組織により行われるものの遂行を、これがまず第一点、そしてそれを二人以上で計画し、これが第二点目、そして第三点目として、計画に基づき実行準備行為が行われる、この場合に成立するものでございます。こういった、事実全体に対しての故意が必要となります。
 つまり、テロ等準備罪においては、犯罪の実行、当該犯罪の実行ということだけではなく、組織性の要件についても故意が必要でございまして、具体的に言えば、組織的犯罪集団、すなわち、一定の重大な犯罪等を実行することを結合関係の基礎として、共同の目的とする多数人の継続的結合体であって、その目的または意思を実現する行為の全部または一部が組織により反復して行われるものという点。さらに、団体の活動として、すなわち、組織的犯罪集団の意思決定に基づく行為であって、その効果またはこれによる利益が当該組織的犯罪集団に帰属するものであるという点。そして、一定の重大な犯罪を実行するための組織、すなわち、指揮命令に基づいて、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体によって一定の重大な犯罪を行うこと、こういった組織性の要件についても故意が必要であると考えております。

○濵地委員
 このテロ等準備罪、さっき林刑事局長が、客観的な構成要件について故意が全部必要だと。もうこれは当たり前のことなんですが、余りにも客観的な構成要件の要素が多いものですから、改めて聞かせていただいたんですが。
 そういった意味では、私は、客観面でも非常に絞られ、主観面、いわゆるどこまで故意があったか、このテロ等準備罪等々と言われる犯罪が成立するには、なかなかこれは主観面でも厳しい要件がかかっているというふうに言えるんだと私は思っております。

 次に、ようやく、TOC条約のことを公明党としても聞きたいと思っております。これもさまざま言っていますが、このTOC条約、国際犯罪防止条約がテロも関連する条約ではないのでないかという質問が、これは議論の当初からありますので、確認をさせていただきます。
 あえてテロもと言ったのは、テロがと言うと、テロ以外のものではないといって批判をされますので、これは組織的な犯罪集団も含めて、その典型としてのテロも含んでいるということで、テロもという言葉を使わせていただいております。
 確かに、TOC条約の五条一項(a)の(ⅰ)の文言を読みますと、やはり、先ほどほかの委員がおっしゃったとおり文言解釈が大事でございますので、「金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため」と書いてあるので、やはり、経済事犯や何らかの物的を得ることを目的とする、これを犯罪化しろというふうに読めます。
 また、御指摘が野党の皆さんからもありましたけれども、二〇〇〇年の条約交渉の段階において、日本はTOC条約からテロを除外すべきだと主張したのではないかというようなことも指摘されるところでございますが、改めて、これは交渉の、要は、採択の時点で既にテロも含む条約であったのかということを外務省に確認させてください。

○水嶋政府参考人
 お答え申し上げます。
 まず、一般論といたしまして、国際的な組織犯罪とテロ活動との間には強い関連性があるということは指摘をされております。
 本条約の起草に向けた交渉過程におきましても、重大な犯罪の具体的な内容を列挙する犯罪リストを作成し、その中にテロ行為を含むということが議論されておりました。しかし、テロリズムをいかに定義すべきかという点におきまして合意することが困難であることなど、議論がまとまらず、リストに含むべき犯罪の選別の議論に多大な時間を要する、コンセンサスを得ることが困難であるということなどから、条約の採択自体ができなくなってしまうおそれもございました。
 このような交渉の結果として、本条約の対象犯罪についてはリスト化は行われず、テロ行為が対象犯罪として明示されることはありませんでした。
 その上で、最終的には、この条約の交渉を行っておりました国際組織犯罪条約のアドホック委員会の第十回会合におきまして、この条約を採択するための決議案にテロの文言を含む文章を加えるということについて、議長から提案がなされました。そして、議長がこの提案により示した案文を含む決議案が第十回の会合及び国連総会においてコンセンサスで採択されたということでございます。

○濵地委員
 ありがとうございます。
 この交渉の経緯まで含めて、詳しく説明をいただきました。
 実際、国連総会の決議の中には、全ての国に対し、国際組織犯罪とテロ活動のつながりを認識することという文言が入っております。これは、コンセンサス、全員の合意でとられたわけでございまして、その国連総会の決議の中でテロ活動が出てくるということは、これは、交渉に参加した国が全てテロ活動との関連性を認めるということにならないと国連総会の決議は出せませんので、国際社会のルールとしては、ですので、これは明らかに二〇〇〇年の段階で、TOC条約はテロ対策も含む条約であったということを改めて確認できるというふうに思っております。
 では、今、TOC条約を締結していない、よく、百八十七カ国締結していて、G7で唯一締結していないのが我々のみであるというふうに言われますが、現在、このTOC条約締結に向けての我が国に対する国際的な評価に言及したものはございますでしょうか。

○水嶋政府参考人
 お答え申し上げます。
 既に、百八十七の国・地域が本条約を締結し、本条約に基づく国際協力を実施しております。未締結国は、我が国を含めまして、わずか十一カ国であります。また、関連する国連の各決議やG7サミットなどにおきましても、繰り返し各国に対して本条約の締結が要請されております。
 例えば、昨年我が国が議長国を務めましたG7伊勢志摩サミットの首脳宣言におきましても、「我々は、国連国際組織犯罪防止条約及びその議定書をはじめとする関連する国際文書の締結及び完全な実施を呼びかける。」とされております。
 また、先般開かれましたイタリアでのルッカにおけますG7外相会合におきましては、テロ及び暴力的過激対策におけます国際協力の重要性を強調する中で、G7で唯一国際組織犯罪防止条約を締結していない我が国が現在締結国となる努力を進めていることについて、G7の総意として歓迎する旨の文言が共同コミュニケに盛り込まれたところであります。

○濵地委員
 そうなんです。「我々は、」と伊勢志摩サミットのコミュニケがございますけれども、我々というか、議長国は我が日本でございまして、(発言する者あり)そうなんですね、全く、我が国の伊勢志摩サミットをやっておきながら、締結できていない状況だし、また、つい最近でありますと、G7外相会合において、これは国際社会が少し、もう、厳しいという言い方よりも、この交渉が始まっていることも知っております。ですので、この取り組みに向かっていることを歓迎すると言っておりますので、我々委員会としては、これは国際社会も見ているんだという認識で質疑に臨まなければいけないというふうに確認をさせていただきたいと思っております。
 次に、このTOC条約の締結のメリットについてもよく言われることが、捜査共助がスムーズになる、犯罪人引き渡しに非常に効果があると言われておりますけれども、実際にどういうふうな効果があるのか、具体的に深掘りをしたいと思いまして、きょうは資料一をつくってまいりました。外務省からも説明はあったんですけれども、これはTOC条約を締結していない場合の捜査依頼手法です。
 これを細かく見ますと、左側、日本から始まるんですけれども、例えば担当の捜査機関がございます。これが外国に対して捜査共助の依頼をしたいというときには、日本国内でのそういった国際的な捜査共助を取り扱う機関に捜査機関が話を投げます。警察庁では国際捜査管理官、法務省では刑事局国際課などでございます。そこからすぐに外国に行くんじゃなくて、外務省の本省に行って、さらに外務省の在外公館に行って、相手方の外務当局に行って、相手方の国際的なそういった捜査共助を取り扱う司法当局に行って初めて現地の相手国で捜査をするところに依頼がかかるということで、改めて図にしてみますとかなり迂遠でございまして、左側だけでも迂遠なんですけれども、戻ってこなきゃいけませんから、右ももう一回同じルートを繰り返すということで、これは手続の流れとしても迂遠であろうと思っております。しかし、実際、私も在外公館等々を訪問したことがございますが、日本の在外公館に、ある程度捜査のプロがいれば、また少しは話がスムーズになると思うんですが、私が事前にお聞きした情報によりますと、在外にいる法務省の職員の方は四十九名、公安の方は二十名程度というお答えがございました。
 そのうち、法務省だと検事は十一名です。この十一名のうち、日本の在外公館、海外にある日本の在外公館に所属するのはわずか七公館のみということになりますと、東京から来る情報をさばいているのは、百五十数カ国、我々は公館を持っておりますけれども、ほとんど、百四十数カ国はいわゆる捜査のプロでない人間が情報のやりとりをするということになりますので、そういった面でも私はデメリットになっているんだと思います。
 これが、TOC条約が締結されますと、直接、捜査機関同士、当局が捜査機関同士となりますのでスムーズになるということでございますが、改めて、この捜査共助のメリットについて具体的にお答えいただきたいと思います。

○水嶋政府参考人
 お答え申し上げます。
 まず、本条約を締結していない現状におきましては、例えば、我が国が刑事共助条約を締結していない国に対しまして捜査共助を要請する場合、相手国にはこれに応じる国際法上の義務はありません。
 また、今委員御指摘のとおり、中央当局間で直接共助要請をするのではなく、外交ルートを通じて行うことになりますので、一定の期間を要するということになりまして、迅速性に欠けるという点がございます。
 この点に関しましては、金融活動作業部会、FATFからも、我が国が本条約を締結していないことを前提に、国際捜査共助法上の共助要請につき、外交チャンネルを通じてなされることが要求されていることは過度の負担であるというような指摘を受けたこともございます。

○濵地委員
 今、FATFの勧告の話が出てきました。FATF勧告で、日本に対して逆に捜査共助を求める場合は過度な負担になっているということなので、我が国の捜査機関が捜査共助を求める場合も非常に迂遠であるし、過度な負担であるんですが、我が国に対して捜査共助を求める外国もかなり過度な負担というふうに感じているわけでございます。
 ですので、我が国だけの問題ではなくて、これはやはり、国際社会の中でしっかり外国に応えていく、捜査共助でも応えていくという面でもこのTOC条約を締結する意義はあるというふうに思っています。
 次に、犯罪人引き渡しについてお聞きをしたいと思います。
 資料二は、これは法務省の総合研究所がつくりました犯罪白書から持ってきたものでございまして、資料二の上の段に、国外逃亡被疑者等の人数が具体的に発表をされております。これは、実際被疑者がどこに逃げたかということがわかっているだけでございますので、どこに行ったかわからない、日本にいるかわからない、外国にいるかわからないという方は除かれていますので、実態はこれより多いんだろうと思っておりますが、実際にわかる範囲で、総数として七百四十。これは、平成二十七年十二月三十一日、昨年の年末現在でございます。そのうち、外国人が六百二十一人、日本人が百十九人でございます。
 右の犯罪の種類を見ますと、やはり、殺人、強盗等を含む、粗暴犯、また窃盗犯が含まれておりますので、今回のテロ等準備罪の対象になる犯罪も含まれているということだと思います。
 下のグラフを見ますと、外国人で国外に逃亡した被疑者の割合が示されておりまして、例えば中国が一番多くて四三・五%であるとか、韓国は九・二%、フィリピン、タイ、その後、ヨーロッパ、米国と続きますが、この表の中で、我が国がバイ、いわゆる二国間で犯罪人引き渡し条約を締結しているところはどことどこの国でしょうか。

○水嶋政府参考人
 現在、我が国が犯罪人引き渡し条約を締結しております国は、米国と韓国、二カ国でございます。

○濵地委員
 そうなんです。TOC条約に入っていない場合には、条約がないとスムーズな犯人引き渡しができないんですね。しかし、それを二国間でやっているのはアメリカと韓国のみということで、こういった犯罪の多い国々とは結ばれていないので、これはもう協力をお願いするしかないという状態でございます。
 資料三が、協力をお願いした結果です。お願い、相手は義務ではないので、お願いをするしかない。そうなると、逃亡犯罪人引き渡しの人数ということで、平成三年からグラフがありますが、一番下は昨年の数字です。外国から引き渡しを受けた逃亡犯罪人の人数、要は日本から頼んだ人数なんですが、平成二十七年は、横線が引いてありますので、ゼロです。逆に、日本が外国に引き渡した犯罪逃亡人は一人。平成二十六年は二人ですね。二十五年は三人。二十四年は一人ということで、これはかなり、七百四十人いる国外逃亡の犯罪人の中で、昨年は全く、一人も引き渡していないという現状がございます。
 これは私はゆゆしき事態であって、日本は逆に、犯罪を犯しても逃げれば逃げ放題の国というふうに国際社会から判断をされることになろうかと思っています。
 そこで、犯罪人引き渡しについて、このマルチの条約であるTOC条約が締結されることによってどのような効果があるかを改めて外務省にお聞きしたいと思います。

○水嶋政府参考人
 お答え申し上げます。
 国際組織犯罪防止条約を締結した場合には、先ほど申し上げました二国間で犯罪人引き渡し条約を締結しております国以外の国との間で、犯罪人引き渡しの実効性が高まることが期待をされます。
 これは、それぞれの国がとっております法制度にもよりますけれども、本条約を締結すれば、例えば犯罪人引き渡しについて条約の存在を条件としていない国につきましては、犯罪人引き渡しの手続を迅速に行うよう努めるという旨、この条約に規定をしておりますので、それに基づきまして犯罪人引き渡し請求を行うことが可能となり、引き渡しが迅速に実施されることが期待をされます。また、犯罪人引き渡しについて条約の存在を条件とする国につきましても、その国がこの条約を犯罪人引き渡しのための法的根拠とする場合には、その国に対して本条約に基づく犯罪人引き渡し請求を行うことが新たに可能となる、かつ、さきに述べたように、引き渡しが迅速に実施されるということが期待されるということがございます。

○濵地委員
 しっかり、我々、TOC条約を締結して、昨年は引き渡しでいただいた逃亡者がゼロであったわけでございますから、これがやはりふえるように、そういった環境を整えることは我々政治の役目であるというふうに思っております。
 次に、TOC条約二十条の特別な捜査方法についてお聞きをします。
 資料四を私はつけておりますが、これも、一昨日の審議だったか、その前の審議だったか忘れましたが、野党の先生方から、線を引いている「監視付移転」ということを捉えられて、これが、監視的な捜査をこの条約自体が求めているんじゃないか、イコール監視社会というものを想定されるような御質問だったと思いますが、私はこの「監視付移転」というのはその意味じゃないと思っていますが、この「監視付移転」の意味について御答弁をお願いします。

○水嶋政府参考人
 国際組織犯罪防止条約第二十条の「監視付移転」、これは同条約第二条におきまして、「犯罪を捜査するため及び犯罪を実行し又はその実行に関与した者を特定するため、一又は二以上の国の権限のある当局が、事情を知りながら、かつ、その監視の下に、不正な又はその疑いがある送り荷が当該一又は二以上の国の領域を出、これを通過し又はこれに入ることを認めることとする方法」というふうに定義をされております。

○濵地委員
 そうですね。いわゆるコントロールドデリバリーという手法をただ単に日本語訳したのみでございまして、今現在でも、日本でもこれは行えます。
 要は、人を監視するんじゃなくて、物を監視しているということでございまして、これはもう捜査手法として普通に使われていることでございますので、特別な捜査として、何か、監視社会になるようなものは想起されるものではないというふうに私は思います。
 次に、私も所属をしています日本弁護士会等々からは、これは、テロ等準備罪がなくても、TOC条約は締結ができて、かつ、テロ対策には十分なんだ、そのために日本はテロ防止関連条約に十三本も入っているのではないかというふうな御指摘がございます。その中には、一部、準備行為を処罰する国内法もありますし、また、予備行為を処罰することになっております。
 今、十三本の、日本が既に締結をしているテロ防止関連条約、東京条約とかヘーグ条約等々ございますが、これではテロ対策として不十分なのかどうか、外務省にお聞きをいたします。

○水嶋政府参考人
 お答え申し上げます。
 我が国が締結をしておりますいわゆるテロ防止関連の条約、十三本ございます。これを締結するために、我が国の国内法、これらの条約の義務を履行できるものとなっております。ただ、幅広い犯罪行為について、これらを合意段階で処罰することができるものとはなっておりません。この十三条約は、いわゆる特定の態様のテロ活動と闘うための国際的な枠組みということになっております。
 一方、この国際組織犯罪防止条約は、テロを含みます、より幅広い国際的な組織犯罪を一層効果的に防止し、これと闘うための協力を促進するための法的枠組みを創設する条約であり、そこでは、特定の態様のテロに限らず、さまざまなテロが対象となり得ます。また、この条約を締結することによりまして、テロ組織の資金源となっている幅広い犯罪行為にも対処することが可能となりまして、テロの根本を断つことができます。さらに、この条約の締結に必要なテロ等準備罪を創設することで、テロを含む国際的な組織犯罪に対して、その着手前に未然に対処することもできることになります。

○濵地委員
 きょう朝も、フランスでテロがあったという報道に接しています。まさに国際社会はテロとの闘いを行っているわけでございまして、まさに日本だけがこういったTOCを締結していないということは、ただ締結していないんじゃなくて、これは本当に恥ずかしいことだし、来ていただく外国に失礼です。そういう認識でやはり我々は審議に臨みたいというふうに思っております。
 今、テロ、テロというふうに言ってきましたが、テロ等準備罪はテロ等というのが入っていて、テロだけではなくて、具体的な例で言われていますとおり、暴力団であるとかまたは組織的な詐欺集団等々が組織的犯罪集団に当たるということは、これまで本委員会で何度も出てきたことでございます。
 テロ等準備罪が新設されると、当然、テロの防止にもなるんだけれども、国民の皆さんに身近にわかりやすい例としてどういったものがイメージしやすいのかということで、やはり私は振り込め詐欺の例をしっかりと表に出すべきだろうと思っております。
 そこで、まず警察庁にお聞きしますが、最近の振り込め詐欺を含めた特殊詐欺の被害状況についてお聞きをしたいと思います。

○髙木政府参考人
 お答えいたします。
 特殊詐欺の認知件数につきましては、平成二十二年以降増加を続けており、昨年は一万四千百五十一件でありました。被害額は、平成二十一年以降増加を続け、二十六年に約五百六十六億円と過去最高を記録した後、二年連続で減少したものの、昨年も約四百六億円と、一日当たり一億円を超える被害が生じており、依然として高水準で推移をしているところでございます。
 警察といたしましては、関係機関、団体との連携により、官民一体となった予防活動を推進するとともに、犯行拠点の摘発等により犯行グループの検挙の徹底を図るなど、対策を推進しているところでございます。

○濵地委員
 大変大きな数字が出てきて、私もびっくりしています。
 今、警察庁から検挙の対策を図りたいとおっしゃっていただきました。そのための法整備が今回の法案の一部に含まれているんですね。テロ等準備罪の中の組織犯罪について、これは計画段階で、または準備行為が行われた段階で処罰をすることができます。
 今の詐欺罪は未遂しか処罰できませんから、高齢者に実際に欺罔行為の着手、いわゆる電話をかけないと犯罪は成立しないんです。しかし、今回、テロ等準備罪の中に含まれます組織的詐欺の合意罪また準備罪がありますと、実際に危ない計画をしている組織的犯罪集団がいる、そして、実際にプリペイドカードを買ったり電話を用意したり、準備行為に及んだ段階で警察は検挙ができるようになるんです。
 まさに御高齢の方々が電話をかけられなきゃいけないんですよ、手紙が届かないと検挙できないんだったら、まさに、すぐだまされてしまう。そこをやはり防げるのが今回のテロ等準備罪の、まさに等ですね、大きなメリットの一つだと思います。
 こういったことを私は国民の皆さんにもっとわかりやすく我々を含めて説明すべきだと思いますが、最後、大臣の御所見をお聞きします。

○金田国務大臣
 濵地委員の御質問にお答えいたします。
 テロ等準備罪は、現行法では実行に着手をする前には検挙、処罰することができない、ただいまの例のような振り込め詐欺集団が実行する詐欺行為につきまして、その計画及び実行準備の段階で検挙、処罰を可能とするものである、だから実行に着手する前に検挙、処罰を可能とするものであります。したがいまして、振り込め詐欺の未然防止にも役立つものである、このように申し上げることができると思います。

○濵地委員
 終わります。ありがとうございました。



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